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zoom RSS 「風の古道」 〜『夜市』より 〜書評

<<   作成日時 : 2005/11/15 01:40   >>

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昔、妄想激しく小説ネタを考えめぐらせていた頃、こんなことを思い浮かべた。
 「もし未来や過去に行って、(過去の世界で)自分が産んだ人間が、実は現在の世界では自分の恋人だったら、どうするだろう?」というネタだ。
もしくは逆に、自分が過去に行って「彼」を産まなければ「彼」の存在がなくなってしまう、なんてことになったら・・・などなど。 
弱い頭でよくもまあ、考えたものだ。そういったストーリーに心躍らせていた時代だったのだろうけれど、この「風の古道」を読んでいる途中、そんな記憶が鮮明によみがえった。

人外の者、妖怪、神たちの住む異界=「古道」に紛れ込んでしまった少年の私とカズキ。彼らがそこで出会ったのは一人の旅人レンだった。レンは古道の住人で現世に行くことが出来ないのだが、その出生の秘密がこの物語の主題である。この世界には死人を生き返らせる「雨の寺」があり、かつて一人の少女が恋人の骨壷を持って旅立った。しかし再生は難しく、彼女は自ら身ごもって骨壷の中の灰=「彼」を再生(産みなおし)させた。彼を再び生き返らせるそのために・・・
恋人を生き返らせるために産んだ母、そして記憶を持たずに新生したその子供レン。
まさに数奇な運命としか言いようがない。
そしてなんという美しさ、寂しさ、悲しさ、哀しみだろう。 涙が出た。

表題作『夜市』もよかったが、私としてはコチラのほうが好きだ。
レンの出生の物語に惹かれたのもある。 しかしその上で、彼レンが場合は違えど「私」の友達を生き返らせるという目的のために、母のかつて通った道を同じように旅したという事がたまらないのだ。
本当に、たまらなくレンがいとおしい。
感動するものも泣けるものも面白いものも、いろいろな小説があるが
こういう「いとおしい」作品というものを、私は心から愛する。
夜市
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