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zoom RSS 『ナラタージュ』 by 島本理生 読了報告

<<   作成日時 : 2005/12/12 01:33   >>

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今年の恋愛小説としてポイントが高く評価されていたので、読んで見た。
普段、純粋に恋愛小説ってよんだことあまりないし、どちらかというと軽いものに見てしまうのだが、
これは違った。何が違うって、まず読ませる力のある文章、話運びだったということ。
ところどころ、両親の話や旅行の話、友達の話や過去の話が入ってきて、
なんだかすごくリアルに感じる。
ほんの少ししか出てこないのに、主人公泉の両親が素敵に思えるのはなぜだろう(笑)

読んでいて思ったのは、今流行の少女漫画にも共通していること、「せつなさ」だ。
とくに思い出すのは矢沢あいの漫画(『NANA』や『天使なんかじゃない』など)だ。
失恋して、誰かの優しさに甘えてしまう主人公。(ヒロイン)
「一緒にいると安心する、楽しい、楽になれる」という理由でそれが愛情なんだと思い込もうとする。
また、彼のほうも最初は「忘れられなくてもいいよ」とか言ってたり優しく慰めたりしてくれるくせに、
しばらくして、女の吹っ切れない態度に不安になって、キレる。
結局引きづったまま新しい恋をはじめようとして、無理がたたって、破滅する。
とどのつまり、主人公ヒロインはもとの、本命のもとへ戻っていく。傷ついた彼を残して。

意地悪く書くとこういう話。けれど私はこれが、こういう風に書いて終わるようなつまらない恋愛沙汰ストーリーだとは思っていない。
人間って、いつだって未練タラタラで、そのくせ本命と始終一緒にいられるかというとそうではない。
本命と一緒にいるときに安堵感なんて得られるもんじゃないだろうと思うからだ。

それでも。本命はいつまでたっても本命なのだ。
この本の最後にもあるように、きっと彼女は本命=先生を思い続けて、「人を愛すること」をやめないだろう。その対象がたとえ先生以外であっても。
他の人を好きになっても、結婚しても、きっと一生それは変わらない。
先生が彼女と出会い、人を大切にすることを覚えて、優しくすることを知って、奥さんをもう一度選んだように。 本当に皮肉な話だ。 残酷な話だ。
けれど、本当にそこには一番深い愛があるんじゃないかと、私は思う。

壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない二十歳の恋
大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。
泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた葉山先生の過去の秘密を思い出す。
今、最も注目を集めている野間文芸新人賞作家・初の書き下ろし長編。

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