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zoom RSS 『果てしなき流れの果てに』 by小松左京 人間とは・・・

<<   作成日時 : 2006/01/23 01:57   >>

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まずストーリーの壮大さと、エネルギッシュな展開、テーマ・着目点はすごい。
なにしろいきなり恐竜が出てきて、白亜紀の地球に電話が鳴っているのだから、
想定範囲外、としか言いようがない(笑)

残念なのは、こういうSFやファンタジー系の小説に多いのだが、

非現実的なこと、おおよそ信じられないような出来事が目の前で起きた時、
それに対する主人公の反応が、あまりに順応が早すぎる、ということだ。
たとえば。スプーン曲げを目の前でされたところで、それをすぐに「超能力だ」と
信じ込める人間は、まずいないだろう。誰だってまず、トリックだと疑う。
はしょってさっさと本題に移りたいのはよく分かるが、なんだかなぁ・・・と
思えて仕方がない。
もっとも、現実味があればよいというものでもないだろうけれど。

(出版社/著者からの内容紹介)
理論物理研究所助手の野々村は、ある日、大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。それは永遠に砂の落ち続ける砂時計だった! 白堊紀の地層から出土されたというその砂時計のなぞを解明すべく発掘現場へと向かう一行だったが、彼らは知る由もなかった──その背後で十億年もの時空を超えた壮大な戦いが展開されていようとは。「宇宙」とは、「時の流れ」とは何かを問うSFの傑作。(解説・大原まり子)


後半になればなるほど、いわゆる「ムー」的な要素が出てきて面白い(笑)
今残っているナスカ地上絵やスフィンクスなど「超古代文明」といった
人類以前の高度文明は、実は未来人が過去にいたずらしたものだった。
まさに非科学的この上ないのだが、読んでいてその気になってくるから恐ろしい。
想像力、着眼点以上に、そういう引き込み力があるところに小松先生のすごさを再確認する。

さて。しかし私がこの作品の中で最も感動したのはほかである。
「人間が手に入れようとしていくらあくせくしても、どうしても手に入れられないことがあります。未来がそうです。明日はただ待つことによってしか手に入れられません。」
恋人(野々村)をまつ、彼女の言葉である。

未来は自分で切り開くもの。なんていう溢れた言葉はもう聞き飽きた。
いや、勿論そう↑だとは思うが、それでも未来は、時間は、待つこと
(待つといっても、どう「待つ」のか、積極的に待つのか、ただ待つのかは己次第だ)
でしか手に入らないのだ。目から鱗が落ちた。

さらに、私の尊敬する書評家さんとそのご友人との会話の一部に、心が揺れた。
     「時間は不可逆的なものだから、現代アートを過去の人類が楽しめるか、
     という設問は変だけど、どう思う?」


時間という縦の関係に限らず、こうした話は横の関係つまり接点のない地域・文化間でも見られることだ。
 電気器具が一切ない、未開の地域住民にTVを見せたらどう反応し、どう思うか?
こういう点への注目度が尽きないのは、きっと人間はいつでも
人間の根底に流れ続けているもの、人間を人間たらしめているもの
を追求し続けるからではないか?
何をもって人間とするのか?
たとえば「言葉」「道具」「二足歩行」「涙」「思考」「想像力」・・・
そういった、人間独特の、人間にしかないものが文化を築き、人間たらしめてきた。
逆に↑のようなものを持たない人類はいない。
つまり、どのような地に住み、どのような歴史を辿ろうとも、遅かれ早かれ、
人類は皆、人間になっていく、ということだ。
話が随分ぶっ飛んでしまった;;
要するに私が言いたいのは。 先に、未来は待つことでしか手に入らない、と引用したが
私は逆に「未来は待てば必ず手に入るもの」だと、思う。
たとえそれが望んでいた未来ではなかったとしても、だ。
だから、人間は皆望んだ未来になるようにこうして生きている。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます! 力作エントリお疲れさまでした&TB大感謝ですっ。
3307
2006/01/23 05:27
いえいえ、こちらこそ勝手にTB&引用させてもらってしまって。
先にご了解をえてからにすべきだったと反省しています;;
これからも3307さんのお言葉、ありがたく参考にさせていただきます♪
空蝉
2006/01/24 01:25

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