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zoom RSS 恩田陸『エンド・ゲーム』

<<   作成日時 : 2006/02/06 01:08   >>

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人生はオセロゲーム。「裏返される」ということが拝島家に起こった悲劇だ。
自分の信じてきたものが否定されるということ、自分の絶対基準が崩れてしまうということ、正負が逆になった世界、常識と信じていたものが何一つ通用しない世界、自分が無力であるということ。
彼らは各々、それぞれが「真実」と信じている世界へ逃げ、その世界で足掻き、
しかしどこかでそれが真実ではないと知っているから苦しむ。逃げ切れずに気がついてしまう。
拝島家が戦う相手は正体不明の「あれ」。彼らは常に拝島を裏返そうと出現し、
裏返されたら最後、廃人になるか、記憶をすべて失ってしまうか。
「あれ」のことを憑き物のようなもの、と「洗濯屋」は言っているが、思うに「あれ」は
もうひとつの真実、他人の真実なのだ。同時にそれは、自分が心の奥底で気づきつつある
逃げだした世界だ。戻りたくない世界、他人の支配する世界。
人間はつらいこと、きついこの世の中から、現実から簡単に逃げることが出来る。
目を閉じて心を閉ざして自分だけの物語「新しい記憶」の上に作られた新世界に行けばいいのだから。「あれ」とは、そうして捨ててきた世界のことではないだろうかと思うのである。
「あれ」は常に現実世界へと引き戻そう「裏返」そうと付けねらう。
そして、その「あれ」を作り出すのも自分自身だ。
あくまでも小説内では「あれ」は第三者、別物として描かれているし、そういった説明はないが、
「あれ」は最後まで、自分にしか見えない恐怖の対象でしかないのだ。そう考えても支障はないだろう。
私がこれを読み終わって、まず最初に思い浮かべたのはスティーブン・Kの「IT」だ。
イット(IT)、「あいつ」。 
彼らにしか見えない「あいつ」は、あまりに「あれ」に似ている。
恩田先生にけちをつけるわけではない。が、やはりどうしても2番煎じという感がぬぐえない。



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