■空蝉草紙■

アクセスカウンタ

zoom RSS 『星々の舟』 by 村山由佳

<<   作成日時 : 2006/05/17 01:16   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像久しぶりの読書になってしまった・・・仕事始めるとどうしてもこうだ。
けれど、読む間がなかなか取れない中、
何気に読んだ「一昔前にヒットした作品」で涙した。

血が繋がらないものと思っていた義兄と義妹が本気で愛し合い、
実は本当の兄妹であったことがわかる。
離れて、お互いに触れないようにして、忘れようとして、別々の人生を歩み・・・
それでも十数年たって後、再会した時に彼らは思い知る。
お互いを思う心が「再び燃え上がった」のではなく、
ただの一度もこの火が消えたことはなかったのだということを。

この兄妹の話がメインではあるけれど、この作品の星々たちは彼らを取り巻く家族。
片方ずつ血の繋がった兄弟姉、両方の血の間で苦悩する妹、
戦争の中で大切な人を失うという「取り返しのつかない」傷を負った父。
さらに彼らの夫や妻、子供の世代にまで話は及ぶ。

ドラマで「百年の恋」なんてのがあったが、構成としてはアンナ感じかもしれない。
けれど、この小説がそれ以上に感慨を与えてくれるのは
星々・・・彼らの人生が縛られることなく自由であるからだ。
自由である、というよりは自由を求めて、足掻くのではなく、
今がその自由なのだと。今現在の自分の人生を、生活を、周囲の人間たちを含めて
これが私の自由…幸せなのだと感じ、安住の地をそこに見出しているからだ。

思わず私は仏教の思想を連想した。堅苦しいことは抜きにしても、だ。
仏教でよく説かれることに「諦念」がある。これは単に諦めるというものではないだろう。
欲を捨て、自分とその世界に向き合い、更なるものを望まず、現状に満足すること。
何も自分に甘く堕落しろというのではない。今の地点をマイナスにするのではなく
ゼロにすること、無一物からはじめる。そんなことだと私は思っている。
(仏教信者の方、勝手な解釈でごめんなさい;;)

最後の言葉・・・「幸福とはいえない幸せもある」 これはきっと私の心に一生残る。
「幸福」であることが、当人の幸せであると、誰が決めたんだろう?
「幸福」、自分の望んだとおりに成らなくても、手に入れたいもの、者、物が手に入らなくても
それを想い続ける幸せとは、どんなに大きな幸せだろうか。
そんな風に感じる。  想い続けることが出来る力。私も欲しいものだ。

単なる家族小説でも、恋愛小説でもない。無論、反戦ものでもない。
けれど、家族にも恋人にも、あらゆる性と世代の方に読んでいただきたい作品だ。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『星々の舟』 by 村山由佳 ■空蝉草紙■/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる