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zoom RSS 『うそうそ』 by 畠中恵

<<   作成日時 : 2006/06/04 20:55   >>

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だんだん、たんなる妖怪モノ、ファンタジーコメディーものに収まらなくなってきた感じだ。
でも、これぞ読みがいがあるってもんだとも思う。
少し重くて、悲しくて、チリチリ心が痛むような、心の話。
人は誰でも・・・いや、妖怪でも神様ですらも、心があるということは自分以外を思うということだし、他人を思うということはそれだけ己=自分も犠牲にしなくてはいけなかったりもする。
心の許容範囲、キャパシティがあるとしたら他人にそのキャパを割く分はどうしたって、自分のことは多少なりとも削らなくちゃならないことがあるからだ。

そりゃもちろん、そこに折り合いをつけて、うまく立ち回っていければ一番いい。
ちょうど自分の思うところと、他人を思うということが同じ位置で、同じことだったらどんなに以下と思う。けれど、実際にはそうはうまくいかないのが現実。

山神様の姫様が、人間とうまくやっていけない自分のふがいなさに憤りを感じて、「人間と妖との間で立派に立ち回っている」と評判の若旦那に嫉妬と羨望を感じる。
一方、若旦那の方はといえば彼は彼で自分の体の弱さと甘やかされて何も自分ひとりで出来やしないという甘っちょろい環境に、嫌気と情けなさを感じている。

誰もが自分の立場=足場さえ心もとなくて、どうにもならない思いを抱えている。
それが、表面だって見えているかどうかだけの差で、誰もが何かしらのそういった憤りを心に持っているんじゃないか?というのが、今回のテーマかなと思う。

からす天狗守られ、山上様という大きな後ろ盾を持ちながらも、どうにも自分のふがいなさに憤りを感じて、そして不安でたまらない姫様はそのまま若旦那と同じだ。

さて、今回もやっぱり最後はダウンしてしまった若旦那だけれど、立派にことを成し遂げるたびに大きく成長しているんだと、エールを送ってやりたいものだ。

このシリーズは今まで一話完結の短編集だったが、今回は一冊で一つのお話。
というのはもしかしたらそろそろ話が佳境に入っているということかな?
ファンの心理としては、嬉しいやら悲しいやら。

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