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zoom RSS 『この本が、世界に存在するということに』 by 角田光代

<<   作成日時 : 2006/06/17 21:52   >>

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本が好きな人のために、本を愛する人が書いた、本好きのためのエッセイ集。
それがこの本。私は本を買うときの指標して月刊誌『ダ・ヴィンチ』をいつもあげている。
たいてい、コレにのっている書評通りに買うと後悔しないからだ。
で、今回もやはり、ダビンチの書評に惹かれて買ったのだ。
紹介文には「本好きにはたまらない」といったようなことが書かれていたから。
言わずともがな、私は大の本好きである。
物語がすきなのか、中身=世界観が好きなのか、文字を読むという行為が楽しいのか、その辺は微妙なところだが、少なくとも本の装丁や文字(フォント)、行間や栞一つにもこだわるのは確かだから、単に『本好き』といっても差し支えないと思う。
物語がただ好きなのであれば、今流行のネット小説でもダウンロード型の小説でもかまわないだろうけれど、私は手元にあのずっしりとしたハードカバーの本がないと、気がすまない。
別にデジタル化された物語を読むことを否定するわけじゃあない。私だってそういうものを使ってみたい気もする。けれど、それはあくまでも「読み専門」用であって、気にいったなら必ず「本」を手元に・・・本棚に納めなければ所有した気がしない。
そう、私は「本」という存在そのものがすきなのだ。
物語に出会えたことに感謝する。もちろんそれは小説という文章で描かれたstoryであり、実体を伴わないものへの感謝なのだけれど、はるか彼方に居る著者に一方的に差し出され、書店という媒介を経由し、田舎の一軒家のmy roomで一方的に読むしかない一読者である私にとって、その物語との出会いを感謝し大切にするには「本」という実体をどうしても必要としてしまう。
もちろん、物語との出会いは私を少なからず成長させ、読むごとに感じるものも違ってくる。その時々のコンディションやシチュエーションによっても、私の年齢によっても、物語は私と同時に私の頭の中で日々成長するのだろう。物語は私の血となり肉となり・・・というのは大袈裟かもしれないけれど少なからず私の一部になっている。
そういう意味では「本」という実体なんぞなくたっていいじゃないか!とも言えるだろう。
第一話『旅する本』なんてまさにそんな感じだ。あの話を読んで、正直私には出来ないと思う。
昔手放した本と偶然再会したがまた売り払う、数年後奇跡的に又出会う。その本を又出会える事を期待して又手放す。
コレがよれよれの古本だったからそんなことが出来るかもしれないが、やはり私には到底出来ない。たとえそれが廉価版の文庫であっても、だ。
私は心があれば体なんていらない、なんていえる紳士的なラブロマンスは大嫌いで、
心も身体も全部ひっくるめて相手を求めるくらいのモノを好んで止まないタチだからだ(笑)
実体モノがないと不安というのはただ単に私が弱いだけじゃないか、といわれそうだ。
そう、私は弱いのだ。だからどうしたって実体である『本』そのものを大切にする。
その結果、本フェチといわれようがオタクと言われようがかまわない。

ただ、この本全体を通して思うのは。
一読した、もしくは一度であった、縁が会った主人公が、数年後何かの折に再びその本と出合い、読み返し、以前と全く違った展開を見る。
本は変わらないはずなのに、『私』は成長し、物語を見る目も感じ方も全く違ってくる。
時には本の中身なんてまるっきり関係なくて、その「本」との出合いそのものだけが意味を帯びてくる(「さがしもの」参照)ものもある。
年月を経て本との出会いが意味合いを帯びて成長する。そういうストーリーばかりだった。
とても素敵だ。 それが素直な感想。どれも本が『存在』していることに意味を成す。
だって、この、角田著のこの本がこうして存在するためには、彼らとかの本たちの存在が不可欠だったからだ。
どれもそれらの本の内容、物語がどうだとか云々言っているわけじゃない。
一冊一冊の本が世界に存在し続けたことへのオマージュだ。
私は、この本が世界に存在することに、どういたしましたといいたい。
だってこの本が存在するためには、私たち読者が必要だったからだ。
画像
この本が、世界に存在することに
この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)

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