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zoom RSS 『テロリストのパラソル』 by 藤原伊織

<<   作成日時 : 2006/12/05 20:48   >>

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ミステリーというよりハードボイルドに近いのか? 江戸川乱歩賞を貰っているのだから
ミステリー小説には違いないんだろう。それだけあって、確かにいい作品だと思う。
悲しく、切なく、絶望が起こした惨劇が横たわっている。

しかし私にはどうもこうした男臭さが残る作品に入り込めない。
20代の乙女(笑)が好んで読む感じではない・・・にもかかわらずこれを薦めたのは何を隠そう私の父だ。娘にこういうのを読んで欲しいのか?とも思うが・・・まあ気にしないで置こう。

アル中バーテンダー・島村の前に突然起きた惨事、爆弾テロ。巻き込まれて死んだ人の中にはかつての恋人がおり、その娘・塔子が現れ事件の発端が20年前、60年代のあの世代にあることに気がつく。奇妙なヤクザ浅井、ホームレスの死、かつての親友の影・・・話は次第に過去へ過去へと遡り、変わってしまった・なくしてしまったものの大きさ、それでいて変わることが出来ずに器用に生きられなくなってしまった彼らの悲劇が終幕へと進む。

あんまり警察の描写がなくて、国家間の事情や裏のあれこれがはしょってあるからかもしれないが、なんだかご都合主義っぽい気がしてしまう。
おじさん臭さというのか、かっこつけすぎというか・・・そう、カッコつき過ぎなのだ(笑)
だが、60年代を学生としてあの時代を闘ったオジサンたちが主人公なのだ、当然かもしれない。正直、私にはあの時代のなんたるかなんて解らない。解るといったら失礼だろうとも思う。

解るのは今の現代人には欠落した理由のある暴走パワーをマンマンと持っていたということ。
一見わけのわからない不条理な熱情に見えても、彼らは何かに憤り、何かにぶつけ、炸裂していった。敗北を知った、弱い人間の、必死な足掻きが溢れている。
犯人である「彼」は20年前からずっと、この現代になってもなを、どうにもならない敗北に足掻いている。彼は
人間はどんな時に絶望するか、知っているか?といい、どうにもならない事実、不動の事実を突きつけられた時だ という。

非情な、絶対に動かない事実、現実を目の当たりにしたとき 人間は絶望する。
私はこの言葉に打たれた。

それにしてもかっこいいのはヤクザの浅井。だけどこれもかっこつけすぎ(笑)
どうしてコウ、おじさんはかっこつけたがるかな。


テロリストのパラソル
テロリストのパラソル (講談社文庫)

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
まだ原作の方を読んだことが無いのですが、
以前、テレビドラマの方で、この話を見ました。

「俺たちは時代じゃなく、個人を生きてきたんだろう?」という言葉が
心に残りました。
原作の方も(遅ればせながら)是非読んでみたいと思います。
パイン
2007/02/17 07:00

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