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zoom RSS 『よろず春夏冬』 by 長野まゆみ

<<   作成日時 : 2007/01/01 14:52   >>

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画像
なんとも流れるようjな、美しい文章。すべる様な情景、艶かしい空気。
ところどころに配置される古風な漢字。 細やかな描写。

表紙が独特の繊細なタッチで毎回飾られることでも有名な長野まゆみ作品だが、
それは文章にも文体にも表れている。
清々しい静謐で繊細な、そして壊れそうな美少年を思い浮かべがちな長野作品だが
今回はかなり年齢層が広い。といっても中心はやはり男性。少年から青年、サラリーマン。

それもこれも普通ならそうはならないだろう?といいたくなるシーンや話運びも
なぜか彼女のタッチによってすんなりと進んでしまう。かくいう私もシカリ。
いつのまにかふ〜ん、と読んでいるうちに話は著者の思惑通りに進行し なんの
ためらいも無く登場人物があちらの世界(いわゆるBL、男同士で完結してしまえる世界)に
足をとられていく、滑り込んでいく。
彼女の作風の特徴として、最後まで書ききらないところがある。
その先はどうぞご自由に。だから私はいつも肩透かしを食らったような置いてきぼりをくらったような気がする。そのくせ世界にはすっかりあちら側。雰囲気に飲み込まれてしまっている。
今回はとくに「 」 を使う会話文がない。すべて普通の文章の中に会話が埋め込まれている。
区切りが無い。 だからだろう、すべて話が滑り進んでいく。
ちょうどこちらのケの世界とあちらのハレの世界の境目が無いように。

短編集となっているが、どの話もあちら側の人間が、こちら側の人間を見初めてするするっと
いざない、お持ち帰りをしてしまった、そんな風に思える。
けしてホラーじゃないけれど、違う世界の住人がするっと入ってくる。
現実に即した日常的な青年達がメインなのに、彼らはあっさりあちらに飲み込まれていく。

先日読んだ『きつねのはなし』あちらと似ている。あ、コッチがあとから出版されてのだから似ているというのは逆か(笑) 
しかしあちらと違うのは、この『よろず〜』はあくまで人間のみで完結していることだ。
だからこそ一層、私達はのめりこむ。違和感無くするすると・・・
毎回、感服するタッチの文章だが、今回も楽しませてもらった。
安心して美しい非日常の世界に身を置ける、そんな作品たちなのだ。
よろづ春夏冬中
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