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zoom RSS 『レインツリーの国』 by 有川浩

<<   作成日時 : 2007/01/06 19:59   >>

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前作『図書館内乱』に出てきた作中作?『レインツリーの国』が独立して帰ってきた!
・・・って、コッチが先なのか?あれ?まあそれはどちらでもいいけれど、歯がゆいくらいの純粋な恋愛青春小説。だけど面白い。

有川先生について毎回思うことだけど、文章がすごくくだけていて口語がちっともおかしくない。 普通に話す言葉に近い、けれど枠を外して『おしゃべりコトバ』に走っているわけでもない。キャラクターに合わせて彼・彼女が話すであろうテンポを想像させる口調と挙手挙動を、自然に描いているからかわいいのだ。

図書館シリーズでは主要メンバーの顔が浮かんでくるくらい、特徴が際立っていて微笑ましいやり取りを繰り広げてくれる。
たいていストーリーの中心は、元気が有り余るような・・・死語をあえて使わせていただければお転婆、破天荒、ヤンチャ(笑) そんな元気いっぱいの若者が物語の真ん中で、周りの堅っくるしいしがらみや大人の社会にものともせず立ち向かい、時には苦悩し成長していく・・・
という物語が殆どだ。
そういうスタンスが、今回の『レインツリー』に、いや、レインツリーの中にあられてくるこの又作中作に現れているのではないだろうか。う〜ん、どこまで言ってもこのスタンスなんだ、この人。(笑) 今回、この「さらに作中作となっている」本について、おおまかな粗筋があるのでわかりやすい。とはいえ、そちらでは主人公は圧倒的な追っ手(圧力)に負けて恋人と別れてしまう悲劇だ。「彼女」は未来ある「彼」の荷物になりたくなくて、別れを告げてしまう。
むしろその悲劇に対して「それはないんじゃない!?」と反論を持つ主人公の片割れ伸行が今回の作者有川氏の代弁者?だ。

ただいつもファンタジーやSFが入ってくる有川氏の作品だが、めずらしく!ごく普通の現代ものだ!(笑) 小説のような出会いとお話の恋愛成功譚、といってしまえばそれまでだけど、小説なんだからしょうがない。(^_^.) そんなこと気にせずに、ただ信行のひたすらなまっすぐさ、懸命さ、いじらしさ、直球さに微笑んでいたい。このかわいさが見たくて読んでいるんだから。

さて本題。 聴覚障害者の20代、プライド少々あり、頭が良い、金持ち、妬み・被害者意識多々あり・・・とまあ、いわゆる障害者によくあるタイプの女性に先の作中作「フェアリーゲーム」
の書評ブログを通じて出逢った大阪ナマリの元気人、伸行。彼らはメールをやり取りするうちにすっかり打ち解け、実際に会う事に・・・しかし彼女は聴覚障害を隠していた。
デート当日、次第にかみ合わなくなり最後に障害が伸行にバレ、喧嘩別れしてしまう。
お決まりのセリフ「健常者に障害者の気持ちなんてわからない」というのが入ってきて、な〜んだ、やっぱりこの手の話か。とたかをくくっていたけれど。
この姫様、けっこうキツイことも言う。けれど信もかなり食い下がる。トライして、言いのめして?、責めたり退いたりして・・・最後は自分の奥の手をさらして姫様を落とす!
この奥の手は正直、いただけない。血には血をじゃないんだからさ・・・けど、彼の告白シーンはけっこうぐっときた。きたぞ、伸!(笑)

とにかく、素直な気持ちで軽く読みすごすことが出来る青春ストーリーなんだけど、
実は扱っているテーマは障害という重いもの。 きっと経験者や当事者にとってはこの本がすごく重いものになるに違いない・・・けど、それは信と同じ、私もそういう障害者ではないだけ重く感じることは正直できない。だけど、解りたいと思う心と、解ってよって思う心は、いつまでも必要なんじゃないかなと思う。助けてよ、教えてよ、これはやれるからあれはやって、そういう単純な「お願い」が、人をつなげる手段だから。
人に何かをしてあげることを「させてあげる」ことができる機会を「健常者」よりも多く持っているんだからすごいじゃない?障害者。こんな言い方をすると物凄く失礼だろうけど、そう思ったっていいなじゃないかと言いたい。

正直こういう話に真面目に取り組んだことが無いのであまり書くとぼろが出そうで恐い(申し訳ない;;) が、たまには素直にこんな本を読むのも清清しくてよいんじゃないだろうか。

 
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
TBありがとうございます。
図書館シリーズのコラボ小説『レインツリーの国』、ホッとする作品でしたね。
有川さんの「じれったい愛」も全開で、だけど障害という難しい壁を崩していく2人に、何だか心温まる思いがしました。
水無月・R
2007/04/07 21:50

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