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zoom RSS 『お楽しみはこれからだ!』 by 真瀬もと

<<   作成日時 : 2007/01/16 11:08   >>

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前作、『アルレッキーノの棺』ですっかり魅了されてしまった私。真瀬氏の作品はいつも「本格推理小説」なるものの基本というか、源流というか・・・そういう雰囲気を存分に味あわせてくれる。
時代もの、金持ち、大物、刑事、イイ男、頭の冴える一般市民の主人公・・・自殺とも取れる謎の死と入り組んだ人間関係、隠蔽された過去・・・
こうしてみると、いわゆる「旅館女将の殺人事件簿」とかなんとかいうようなB級ミステリーとなんらパーツが変わらないような気もするが、どうしてどうして、崇高なる本格小説、といいたくなるくらい真面目に面白いのだ。

前作中の登場人物(12人の道化)もチラっと登場するのが既読者としては嬉しかったりする。
ハリウッドやトーキー映画、禁酒法やらが話題をさらった時代。
真瀬氏の作品は特に描写が細かいわけでも、世相の説明があるわけでもないのに、当時の息遣いが登場人物から伝わるからだろうか?読んでいるうちにいつの間にか映画を観ているようなスピード感とノリと情景が浮かんでくるのだから不思議だ。

二人の女優の死をとりまくハリウッド映画スターや彼女の信奉者や愛する者達、嫉妬や妬みや脅迫がからみあい、結局・・・悲しいほど無意味な事件だったことが発覚する。
死んだ二人の女優とも、殆ど前半に死んでしまうというのに最後までものすごい印象を残しつつ物語は幕を閉じる。ことにメグは死んでから暴かれる、過去と現在その知られざる心の複雑さが強烈な印象を私達に見せ付けるのだ。・・・女優だ。

もう一つの鍵となるのが主人公のメイド(ケイト)と元警部の叔父(エド)の掛け合い。
クールで二枚目でニヒルなオジサマ(笑) 彼がなぜ警部をやめ、娘にも会いに行かないのか、彼の心の傷は???その辺もお楽しみなのだ。

そしてラスト、犯人が取った行動(言動)。 ケイトたちが自分を悲しまないように、忘れるように、新しい明日に踏み出せるように・・・ 犯人は自白を拒否するという。
自ら買って出る悪役、というのはどこの世界にもいるものだが、素直に感動してしまった。

さあ、お楽しみはこれからだ!

(あらすじ)
その部屋はおおむね密室だった―ハリウッドのスター女優に届ける犬のお供で英国から渡米したメイドのケイトは、変死体で発見された当の女優の隣室に泊まったせいで殺人の容疑者に。ケイトさえいなければ完璧な密室状況だった。女優は生前、映画会社との確執や、事故死した別の人気女優との怪しい関係が噂されていたが…禁酒法時代の華やかなりしハリウッドを舞台に展開する、犬とメイドの本格推理。
お楽しみはこれからだ!―Jazzy Murder画像
お楽しみはこれからだ!―Jazzy Murder (ハヤカワ・ミステリワールド)

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