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zoom RSS 『夜は短し歩けよ乙女』 by 森見登美彦

<<   作成日時 : 2007/03/04 10:19   >>

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画像前回読んだ『ナナカマド〜』がなんとも美しくしんしんと降る雪のような少女小説(といいつつオトナモノ?)だったのに対して、続いて今度は純粋・青春小説である。

「天然キャラの女子に萌える男子の純情!
キュートで奇抜な恋愛小説in京都」 ・・・帯ハシラより。

って、ほんとにそのまんま、そういうストーリーだ。
天然というか、森見さんの描く少女はいつもどこか変なのである。
「彼女」は変、というのも変か・・・奇抜で、天然で、清楚はずなのに外れてる。
綺麗な薔薇には棘があるなんていうけれど、彼女達は棘どころかつんつるてんである。
なんともかわいく、いとおしく、愛らしく、しかも笑える!
こんな恋愛小説、読んだこと無い。笑えるくせにいとおしいなんて!
これだから森見作品は止められないのだ。病み付きになる。
相変わらず素敵なお嬢口調(笑)だけど、この文体まざりのしゃべり口調がたまらないのだ。

「彼女」と「先輩」は名前すらも通じていない。同じ部活の先輩後輩というだけ。
頻発する二人の出会いは、先輩にとってはただひたすら追いかけ追い求め汗と努力の賜物なのだ。が、彼女にとっては「あ!先輩、奇遇ですね!」・・・ なんて可哀想!先輩。

純情に純粋無垢に彼女に恋し、何とか目を引こうとお近づきになろうと試行錯誤あの手この手を講ずる先輩の涙ぐましい努力がおいたわしい。
彼の想いは報われるのか?はたまた水の泡と帰すのか?

<1>天狗男=樋口に誘われて春画売りのエロ親爺=東堂にいらぬ人生観を伝授され酒飲み勝負で李白翁と張り合い道を踏み外す?彼女を、破廉恥な世界から救い出そうとする「先輩」。
<2>こそばゆくなるような懐かしい風景と匂いと題名が散在する古本市。本好きには思わずにんまり懐かしく笑んでしまう。ハバネロ鍋とも言うべき地獄の「火鍋」の試練を乗り越え、彼女の欲する絵本を手に入れようと四苦八苦する先輩。不思議な少年=本の神様に踊らされて本マニア達が奔走す。
<3>韋駄天コタツと共に神出鬼没のパンツ総番長は何モノか? 大学祭の催し物である劇「偏屈王」も神出鬼没。全50話が学園で繰り広げられていく中、阻止せんとする事務局長、何故か巻き込まれて主役の王女を演じる「彼女」。
「象の尻」を出し物にする女生徒に助けられて彼女は最後の舞台に立つ。そこに死ぬ思いで駆けつけてお相手役を射止めた先輩。 さて、それでも出会いは「奇遇」で終わる?

<4>京都に突如蔓延する風邪。ココまでの登場人物全員が風邪に見舞われるなか、「彼女」だけは元気そのもの。世界から彼女は取り残されてしまった?いや、彼女は風邪のオオモトを絶つべく、李白翁の元へと急ぐ。一方先輩も彼女への恋煩い傍ら風邪を引き、夢現の中、宙を舞う。 
もうココまで来ると夢と現実がごった返して、んなこたどうでもいいんだよ、って具合になってくる。
どの章にもいえることだが、彼女と先輩の足取りは付いたり離れたり、読んでいる私が
「ああ!後ちょっとだったのに!おしい!」って応援したくなるくらい。
すれ違いというのも少し違うか。でももうちょい、ガンバレ、といいたくなる。

しかし、そんな先輩の努力も報われる・・・最後の数ページ。
彼女の足取りと、先輩の足取りが段々近づいてくる。
二人の向かう喫茶店、二人の近づく想い、足取り、縮まる距離。
振り子が段々小さく振り寄ってくるように、 先輩と彼女の視点(一人称)が二転三転し
一つの言葉に結ばれる。

こうして出会ったのも なにかの御縁。

そう、この物語はすべて、最初に答えが出ている。

彼女:「東堂さんにとって幸せとは何ですか?」
東堂:「こうやって通りすがりの人間と知り合って、その人と楽しい時間を一緒に過ごす。
    これが俺の幸せかもしれんね。」
夜は短し歩けよ乙女、青春短し、出会えよ乙女!

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活字中毒者の小冒険2:気まぐれ書評で本の...
2007/03/11 18:21
『夜は短し歩けよ乙女』/森見登美彦 ◎
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蒼のほとりで書に溺れ。
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内 容 ニックネーム/日時
空蝉さん、こんばんは(^^)。
もう、とにかく先輩と彼女のビミョーなすれ違いを応援しまくりでした。
私は、メガネ男子萌えな人なので、勝手に表紙イメージで先輩像を作り、そのトホホっぷりに悶えておりました(笑)。
こういうふんわりとした、恋愛物語?もいいものですね〜♪
水無月・R
2007/10/17 22:03
こんばんは、ちょっとお久ですね。
私はこんな青春経験したことがないので羨ましかったり。ココまで女の子にほれ込める男子がいるのか・・・ってため息でます(笑)で、こういう男子が成長して「容疑者Xの献身」みたいになるのかと思ったり(笑)
空蝉
2007/10/21 02:20

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