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zoom RSS 『月族』 by 今村恭子

<<   作成日時 : 2007/03/21 12:07   >>

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とても純粋で、美しくて、悲しい哀しい神話と愛の物語・・・なんてクサイ言葉が似合ってしまうほど、優しく純な物語。

現代の主人公・薬子の周辺に起こる出来事と、彼女に語りかける飛鳥の物語が同時進行していくのだが、物語が語られている、という感じではない。
その物語を・・・はるか昔、原初『月族』の神話を、私自身が夢で見ているような感触だ。
なんて自然に入り込むことが出来たんだろう。 

いわゆる神話の時代に自分を重ねてしまう前世モノの作りではある。
かつて月から舞い降りたヒトたちは地球に交わり「月族」として 今もこの地球に生き継いでいる。自覚のあるものないものはいるが、本能は失わない。
それは月をいとおしく思うこと、月を見上げてしまうこと、月を、月を、月を。
突然呼び止められて突然バイトを持ちかけられ、その仕事とは・・・
自ら月族だと称する飛鳥の月族の物語をただ聞くということ。
そして彼は自分・薬子をも同属だという。
彼が彼女に語る物語は美しい。そして哀しい。愛を知らない独りの美しい月族の女性プラリネを巡る男達との愛と憎しみの物語。

・・・まあ、神話の方はよくある話。ある時は仇であり憎むべき男をいつの間にか愛していたり、ある時は男に愛していると伝える前に死なれてしまったり、ある時は騙されて孕まされ情が移っていく・・・などなど、ありがちなファンタジックな恋愛悲話を登場させている。
彼女自身は愛ということが解らない、知らない、どう愛せばいいのかも分からない。
そんな彼女に求愛し散っていた悲しい物語、つまりこれは『かぐや姫』の恋愛を特化した異譚である。というきがする。
(しかしこのプラリネ・・・どこまで男を喰えば気が済むんだ(笑))
特に哀れ命を落としていく男達のくだりや、帝までも求愛するが退けられる話なんぞ…
ただ『かぐや姫』と違うのはプラリネがどの男にも情を持ち、その度に愛を感じ、その瞬間男は死んでいく・・・という形になっていることだ。
そして地球と別れ月へ帰っていくとき、かぐや姫には無い大きな慈愛でもって昇っていく。
彼女は永遠の命ではないし、超能力があるわけでもない。
ただ、プラリネの、月族の子孫である飛鳥が語るべき伴侶として薬子を見つけ出し、愛し、物語を語りつくすことが永遠の命になるのだと、そう思う。
彼女がいつか、「飛鳥」と出会い、かの物語を語り合うその日を信じて生きていく。

神話と歴史は繰り返し、男と女も何度も出会い、何度も別れ、生きて死んでいく。
彼女と飛鳥の物語は今終わり、今始まる。
とても単調で壮大で解りやすいお話だったけれども、私はこんな物語に心癒されるのもいいもんだと、純粋に思う。

ついでに、なぜこの本を手に取ったかといえば ・・・ やはり天野義孝先生のイラスト♪
相変わらずお美しい・・・プラリネはもうちっと可愛いタイプでしょうけれど;;


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