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zoom RSS 『贈る物語 Wonder』 by 瀬名秀明

<<   作成日時 : 2007/04/04 18:27   >>

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最近SFに対して少しの抵抗も無く読む気になった。瀬名秀明のお陰だ。
前回読んだ『ハル』・・・あれ以来SFがこんなにも身近に軽く読めるものなんだと
少なくともこの瀬名氏の作品に対しては、普通の現代小説となんら変わりは無い
ただSF=少し、不思議。なものがたりなのだと思えるようになった。
この「少し不思議」という訳をSFに当てたのは言わずともがな、藤子・F・不二雄先生である。
この訳がかなり多くのSFファンに感動を与えたのは言うまでもない。
私の好きな作家であるこの瀬名氏と辻村深月(『凍りのくじら』)が本文中にその影響を明らかにしている。
SFというと何かと小難しいような、おたくっぽいような、敷居が高いような、とにかくちょっと変わった読み物のような気がしてしまうからだろう、意外とヒット作は無い。
身近な物語という感じがしないからだろう。未来の物語が多いし、宇宙を舞台にしたものが描かれやすい。どうしても自分の身に置換することも、ありえないことと割り切ってしまうことも、「大人の読書」という常識的なカテゴリーから外される要因かもしれない。

前置きが長くなったが、要するにこの瀬名氏の描く物語は私の日常とさほど違わないまさに「少し」だけ「不思議」が存在する物語なのだ。
舞台は普通なのに、事件が少し不思議に展開していく。
今回の『贈る物語』にはそんな瀬名氏の選んだ、私達に贈ってくれた珠玉のオムニバスだ。
それにしても良い選択をしている。 『愛の驚き』『みじかい驚き』『おかしな驚き』『こわい驚き』『未来の驚き、「私」の驚き』という5章から成り、その章毎に数編の著名な作家による素晴らしい作品を収録している。私が気に入ったのは最初の最初に『夏の葬列』by山川方夫を収録していることだ。私が教科書で読み感動し作者の原本を本屋で買いに行ったのはこれが始めてであった。続いて『愛の手紙』これはちょっと前に話題になった映画『イルマーレ』のもとになったかのような作品。この2作が冒頭にあることですっかりSFなんて思いは消し飛んだ。
ああ、確かに少し不思議な物語。ファンタジーでもミステリーでもホラーでもない。
カテゴライズできない少し不思議な物語が、ここにある。
ゾクッとしたのは『よけいなものが』by井上雅彦。たった4Pなのに対話がいつの間にか逆転するというメビウスの輪のような会話・・・いや回輪か?改めて物書きさんというのはすごいな、と思った。たったこれだけの文章で永遠に続く輪を表現してしまっている。
『世にも奇妙な物語』にも出てきそうな『ニュースおじさん』瀬名氏の言うとおり、本当に『世にも〜』として映像化して欲しいものだ(笑)
最後第五章はさすがにSFチックといえる。何しろアーサー・C・クラークの『太陽系最後の日』を載せているのだから。
そして最後のシメに瀬名氏の大好きな歌として「ストーリーブック・ラブ」byウィリー・デヴィルを紹介している。これは映画『プリンセス・ブライド・ストーリー』原作はウィリアム・ゴールドマンのテーマソングだそうで、説明を読むうちにぜひとも読んで観て見たいと思った。
なんとも純粋な愛の詩だ。 だけれど恋ほど愛ほど少し不思議なものは無い。
そんな気がした、少しフフフっと微笑ましく思う。
贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに
贈る物語 Wonder すこしふしぎの驚きをあなたに (光文社文庫)

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