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zoom RSS 追悼 藤原伊織

<<   作成日時 : 2007/05/19 18:26   >>

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日本のハードボイルドにおける大きなパラソルを・・・傘を、失った。
新しい作風が次々と現れ、軽いタッチの小説がはびこり、
直木賞も芥川賞も「最年少受賞」だのビジュアル的に売れる女性だのが掻っ攫っていく、薄っぺらな小説界になりつつある現在。
何を言いたいのか、何が重要なのかよくわからない作品が最近は多い。
作者のコメントを見ても「なんとなく、今書いておきたかった」だの「〜っていう感じ」というコメントが付いて回る。それを受けて批評側も、今の混沌とした現在、若者の心理を表している、とかわけのわからないことをそのまま形容詞にして評価する。いかにももっともらしく・・・

勿論、そうじゃない作品は沢山ある。私の好きな作家も作品もそうじゃない。
ただ、なんとなくの世の中、なんとなくの作品が増え、それがなんとなく評価されているのが我慢なら無いと・・・思うのである。
かく言う私も十分「今時の若者」なのだろうが;; 

実は私はハードボイルドという作品はあまり好きではない。なんとなくおじさん臭く、汗臭く、義理人情はびこりうざったい、というイメージがどうしても抜けないからだ。
ロマンチストを見ていると虫唾が走る、という類だろう。

究極の片付けコトバ「ウザイ」で面倒なことを一蹴してしまう若者。雰囲気。
解りやすい白黒付いた明快さは単純バカとしてけなす、そのくせなんとなく込み入ってなんとなく解った気になれる「・・・って感じ」な雰囲気を重宝する現代の風潮。
そういったモノが降り注いでいく。
あらゆる文化・・・小説や、映画や、音楽・・・の上に振り被り、押し流していく。
飲み込まれる文化。青春小説も純文学も、ハードボイルドも、降り注ぐなんとなくの雨に押し流され飲み込まれていく。

そんな今、まだしっかり傘を差してキリリとたつ人が藤原伊織その人であったと思う。
先に述べたとおり正直なところ、私はあまりハードボイルとが好きになれない。それでも藤原氏の作品は大変面白く拝見した。
おじさん臭い、汗臭い、きな臭い、そんな風に感じたのは事実(笑) だが、素晴らしい構成と文章力と心情の描写、そしてど真ん中に一筋の脈が通った作品の強さを見た。
その藤原氏がお亡くなりになったという。 非常に残念である。
私は大ファンというわけではない。しかし客観的にも主観的にも残念だ。そして哀しい。

一つ大きな傘を小説界はなくしてしまった。
パラソルはあといくらのこっているだろうか。今はただ、ご冥福を祈る。

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