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zoom RSS 『片眼の猿』 by 道尾秀介

<<   作成日時 : 2007/06/26 11:37   >>

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道尾氏の作品は、今までシリーズの方を読んでいたので単発ミステリーは今回が初めて。
いやいやなかなか面白かった。わりとありがちな展開ではあるしわかりやすかった部分もかなりあったけれども、根本的な部分で見事に騙された〜っという感じだ。
根本的というか、そもそもの設定自体が最後の最後になってやっとハッキリする。
狙ってかどうか知らないが、私は最後まで主人公・俺(三梨)は超人的な聴覚を持っている&恋人の目は千里眼、というファンタジックな設定なのかと思っていたのだ。
ちょうど伊坂幸太郎の『陽気なギャングが〜』の体内時計みたく。(笑)
加えて亡き恋人・秋枝の正体・・・というか、自殺動機の真実も予想外の展開だった。
まさか彼女が・・・・・・・・だったとは・・・・ネタバレになるので伏せておくが。
この点は見事に騙された。騙されたというか、匂いもしなかった・臭わせてもいなかったのでズルイとすら思う;;  
ずっと前に入試の現国の過去問題を解いた時のこと。ハナコ(だったか?)という「彼女」を恋人のように愛している男の物語の一節があり、その内容は普通の恋愛小説そのものだった。塾の講師が授業の後に教えてくれた真実に私は驚愕した。ハナコというのはメスの熊だったのだから。(勿論男は人間だ) その時の驚きを思い起こさせてくれた、なかなかの騙し絵だった。

さて、粗筋は・・・
主人公の俺・三梨は幼少期に瀕死の事故に遭い、天涯孤独の上、「奇妙な形」の耳を持つ探偵である。彼には7年前急に自殺してしまった恋人がいた。
ある楽器会社の盗聴調査を進めるうちに盗聴相手に殺人事件が起こり、仲間に引き込んだ悪徳探偵社の女探偵・冬絵にも「裏」が見えてくる。誰が敵で誰が見方なのか?
従業員1人と同社のボロアパートの個性豊かな住人達が面白おかしく舞台を転がし始める。
次第に明らかになる過去、繋がる過去、人間、死・・・真の黒幕との決戦は??

片目の猿のエピソードの入れ方がなかなか上手い。トランプ占い?の小技もなかなか効いている♪ 面白く楽しくスピード感ありで読ませていただいた。全体的に絶望的な部分があるわけでもなくどん底にもおちないのでわりと楽に気軽に読めるが(といったら失礼か)
どんでん返しあり、思いがけなさありの展開・・・真実で、最後まで楽しめる。
それに、いわゆる「欠陥者」がとんでもないことをやらかし勝ってしまうそのパワーはなかなか面白い。人間、ことに日本においてはスーパーマンよりネズミ小僧のようなアウトローや欠陥のあるものによる活躍が好まれる。ずべてを兼ね備えたスーパーヒーローより陰のある弱い勇者の方が応援したくなるというものなのだ。母性本能か?(笑)
そういうわけで、スッキリ読ませる作品だ。


 表題に象徴されるミステリーに織り込まれたテーマは内緒です。主人公「俺」の主張として物語全体を貫いていると思います。 片眼の猿 One‐eyed monkeys
片眼の猿 One‐eyed monkeys

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2010/08/05 14:37

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