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zoom RSS 『骸の爪』 by 道尾秀介

<<   作成日時 : 2007/06/11 19:17   >>

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失礼ながら京極堂のコピーかとも思われたあのシリーズの2本目。
間違いの無いように言っておくと、京極堂のコピーと言うのは何も批難中傷の意味だけではない。少なくとも私にとっては。 構想や登場人物、その役割分担において似ている、というだけのことでその設定においては悪く言えば真似、良く言えば良き手本を得たはじめの一歩である。 そして私にとってのこの場合、後者である。
道尾氏にいたっては確かに一本目『背の眼』があまりに京極堂と似通っていたためその点は残念にも思えたが、次回作を期待させる面白さを持っていたのだから。
道尾氏の作品の印象は、読みやすく一気読みできる話運びで最後の最後でのどんでん返しがなかなか効いている。面白い、読みたい、と思わせる荒削りだが若々しさがあるのだ。

今回の『骸の爪』もやはり一気読みさせる面白さと読みやすさがあった。
なにより前作同様、私の好きな仏像がテーマである。だからなお更手にとった。
しかしながら・・・残念なのは登場人物の魅力やレギュラーメンバー同士の会話ややり取りが少なすぎて、なんだかさみしかったというところだ。前作で使い果たしてしまったのだろうか。
真備と北見と道尾の微妙な関係とか(ミステリーを純粋に楽しみたい読者にはいらない要素かもしれないが)も少し欲しかった。ミステリーとはいえ謎やら謎解きやらだけではつまらない。人間が生きているから事件が起きるのだし、人間がいるから解決もする、当然解く側の人間にも人生がある、人間関係がある、おろそかにしていいはずもない。
今回、北見は同行しなくても良かったのではないか?そのくらい存在の意味が無い。
真備にしても謎を解きまわっている手ごたえも、薀蓄ひけらかすシーンも無く、これならいっそ警察が解決しても大差ないんじゃ?と思われて仕方ない。

仏像の卍についての説明や仏像の種類の薀蓄、ついでにダニの紹介(笑)が辞書に載っているのに毛が生えたくらいの説明しかない・・・なんとも味気ない。
最終の方にわたって、トリックの着想は面白い。犯人が露見して、もう一幕犯人が上がったときは、ここにもう一ひねりあるとは!やられた!と感心したが。

ただ、前作より京極堂っぽさが抜けているのは確かだ。前作が引き摺りすぎていただけか?
それでも道尾らしさ、というのがまだ明確に現れてこないのが残念。
内容は面白い。読ませる。最後まで面白く楽しませていただいた。が、著者に対して言うなら残念。作品に対して言うなら良。 ま、私がどうこう言っても仕方ないか。

やはりもう少しキャラクターに華を持たせて欲しい。前作同様、好々爺?のキャラが上手く描かれているし生き生きしている、が、それ以外が死んでしまっている。
すべて一人称、ひつとの始点からしか描いていないからなお更なのだが。
真備の心情というのが今ひとつ、いつも伝わってこない。それが残念。

この点がどう変わっていくのか、どう成長していくのかが楽しみだ。
骸の爪
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