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zoom RSS 『九つの殺人メルヘン』 by 鯨統一郎

<<   作成日時 : 2007/07/22 00:50   >>

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今さらながら、私が最初に読んだ鯨作品はこの『九つの殺人メルヘン』の続編?である。
コッチから読むべきだった・・・と後悔先にたたず。
しかしまあ、いい。どっちらから読んだって、どの章から読んだって不都合内容に出来ているんだから。それこそ一話完結の醍醐味というものだろう。
そして鯨さんはその醍醐味を十分に味あわせてくれるお約束の作者なのだ。
先日読んだ長編『タイムスリップ釈迦如来』、あれはどうにもおもしろい!と叫べなかった。
面白いは面白いけど軽く楽しく読めるオチャラケ本だ。ちょっと安っぽすぎ。
鯨作品はもしかしたら短編の方が、一話完結のスマートなものの方が面白いんじゃないか?と今は思っている。もしかしたら長編でもすごい作品が待っているかもしれないが。

さて、今回の『九つの〜』は前作が日本の昔話・御伽噺がモチーフだったのに変わって、外国のお伽話=メルヘンが題材だ。 あ、逆か。メルヘンが1作目で新しい方が浦島か;;
しかし2作を読んだ今改めて考えると、謎の令嬢・桜川は一体何が楽しくてこんなむさくるしい?おじさんたちのバーに顔を出すのか・・・しかも車でお出迎え付き?!(外に車を待たせているので・・・という発言に注目。)
第一作目であるメルヘン篇ではごく普通のアリバイ崩し、すなわち物質的なアリバイ崩しが彼女の役割である。 2作目である浦島篇では「心のアリバイ」に終始している。
前者が単に事件(というかアリバイ)解決してそそくさと帰ってしまうだけなのに対して、後者では
「もしかしたらこの事件が遠い将来、形を変えて新たな昔話になるかもしれませんね」
と桜川嬢に言わせより心理的に現代に引き寄せている。
・・・なんて、まあ難しいことは抜きにして読んだ方が面白い。ただそういう点も含めて、会話の調子といい、話運びのテンポといい、推理の切れ味(ご都合主義が半減している?)といい、鯨氏が大きく進化していると感じたのだ。
こんなに初期と最新作とで成長をはっきり見たのは初めてだ。(私にとっては)
B級ギャグとB級センスなのにB級でおわらないこの面白さ、やはり只者ではないということだろう。

これだけ楽しませてくれる作家はなかなかいない。さて、次は長編で面白いものを見つけたいものだ。

九つの殺人メルヘン
九つの殺人メルヘン (カッパ・ノベルス)

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