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zoom RSS 『白骨の語り部』 by 鯨統一郎

<<   作成日時 : 2007/07/26 00:49   >>

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なかなか評価が分かれているこの作品、Amazonでも5つ星の人もいればなかったことにして欲しいとまで言って星1つの人もいる・・・まあ、好みがあるからしょうがないけれど。
なぜこんなに評価が分かれてしまったかといえば、期待のしすぎと、ミステリの読み慣れすぎ
という点にあるのではないか?

私は日本のミステリーはかなり上級だと思っている。といってもたいして外国のミステリを読んでいるわけではないから手前味噌?になるのだが。
そして民俗学や御家を舞台・下地にしたミステリが非常に多く、また熟している。
民俗学とかエログロが入り込む、もしくは猟奇小説といった類のミステリが江戸川乱歩やら横溝作品やらをはじめまったく持って優秀な作品が人口に膾炙しているのである。
だから・・・今さら軽い、説明を大幅に省いたうえで民俗学を語ったようなミステリは幼稚にも半端にも思え、物足りなさを感じる。
例えば京極作品を読むとき、私なんぞはどこか新しい発見、民側学的知識を得る機会となることを期待し、又京極氏はそれを裏切らない。
荒俣氏の作品を読むとき必ずトリビア的な発見がある。
そういう期待をし、それが当たり前だと思っている。だから日本のこうした分野でのミステリはハードルが高い・・・あえてそれに挑むと痛い目にあう。
鯨氏の『浦島太郎の真相』などがとても面白く感じられたのは、徹底的に面白い話術(キャラの対話)やくっだらないシャレ&ダジャレが笑いを絶えさせないということ。
そしてまったく新しい(と思える)新解釈を披露し、事件の展開がご都合主義であることすら忘れさせてくれるパワーがあるということ。この2点があるからだ。

正直言うと今回の『白骨の語り部』はあまりにも幼稚な推理なのでミステリに読みなれている人には単純すぎるトリック、解り易すぎる真相、あまり魅力のないキャラ。ということでつまらないものとなったのだろう。
あまりミステリを読まない人にとっては推理慣れしていない分楽しめたのだろう。
それにしても残念なのは主題である「遠野」の妖怪譚や民話、伝説・・・そういったものが殆ど使われていない。まるっきり無視しているといってもいい。
確かに最後、馬に関してのみ多少は・・・しかしこれだけのことを言うのに長編を書いたのか?ってなもんで。 まるっきり、主題を無視している。
そういう点を除けば、それなりに面白い作品ではあった。軽く読めるミステリー。いいんじゃないか?期待しすぎるとつまらなくなるので、わかりやすいミステリーで頭を慣らそう、ってくらいに考えばそれなりに楽しめる。現に私は最後までちゃんと読んだし(笑)


作家・六波羅一輝は大ヒットしたデビュー作以降、小説が書けないでいた。ようやく、柳田国男の『遠野物語』で有名な、岩手県の遠野に伝わる民話に新作推理小説の着想を得た彼は、新米女性編集者・北村みなみとともに取材に向かった。しかし、遠野で待ち受けていたのは―女性の白骨死体。警察に知らせようと焦る一輝とみなみだが、山中で迷ってしまう。偶然、猿村という山村に辿り着き、大きな屋敷に飛び込んだ二人だが、住人たちも娘が帰らないと心配しているところだった。そして、警察の捜査により白骨死体の身元が特定された。それは屋敷に住む、謎めいた昆家四姉妹の次女・有希子。だが、有希子が失踪したのは数日前で、白骨は死後一年は経過している…。被害者は本当に彼女なのか!?白骨が語る、呪われた旧家・昆家と惨劇の真相とは。 (by Amazon)


白骨の語り部―作家六波羅一輝の推理
白骨の語り部―作家六波羅一輝の推理 (C・NOVELS)

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