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zoom RSS 『夏の光』 by 田村優之

<<   作成日時 : 2007/08/04 18:47   >>

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20年前高校3年の夏、親友と恋人との三角関係に傷を負わされた男が師乳と再会し、誤解が解けて再生するまでの物語・・・というと非常に単純でどこにでもある青春モノに思われるかもしれない。
確かにこの『夏の光』はストーリーとしても構成としてもキャラの割り当てとしても単純だしわかりやすい。しかし、否だからこそ後半にあかされる真実と親友との和解は感動をダイレクトに与えてくれる。20年来氷り続けた過去が解けた時、氷はそのまま読者の涙となるだろう。

人生の半ばを迎えた経済アナリスト宮本は、ある日20年前(高校時代)以来音信普通となっていた有賀と再会した。フラッシュバックするように蘇る「あの事件」。宮本と、彼女の純子と、ボクシング仲間で親友の有賀と。彼ら3人は輝くような青春を満喫し夏の光の中にいた。がそれは純子の自殺とその理由…有賀に妊娠させられたのではないか?という疑惑によって終わり、有賀は殺傷事件を起こして退学してしまった。

前半は高校時代の回想、中盤は経済アナリスト宮本の現状と苦悶、後半は20年前の「あの事件」の真相と有賀との和解という展開だが、経済に不慣れな私にも解るよう描かれる日本の金融機関による国債発行をめぐる泥沼はなかなか興味深い。都合の良いリポートを提出し安泰な道を行くか、我が道を行って自滅するか?そんな折に新聞記者となった有賀に励まされ、宮本は歩き出すことが出来た。
「お前は間違っていない。大丈夫だよ」その言葉を有賀はずっと思い続けて来たのだろう。そして夏を駆け抜ける閃光のように有賀は駆け抜けていってしまう、宮本を独り残して。

知らないほうが幸せなことが人生にはある。知って初めて道が開ける事もある。親友が隠し続けた過去「あの事件」を知らなくても宮本は順風満帆な人生を歩めたかもしれない、後悔することも知らずに済んだかも知れない。しかしすべてを知って許して許されて、初めて再び歩ける光の中は何にも買えがたい夏の光に違いない。

夏の陽にも乾かせないほどの涙が出る、かどうかは人それぞれ(笑)けれど自然と涙し感動を受けることは間違いない。

夏の光
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