■空蝉草紙■

アクセスカウンタ

zoom RSS 『あなたと、どこかへ。 eight short stories』 by 8人のオムニバス

<<   作成日時 : 2007/08/08 23:52   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
これだけ著名な短編の名手が集まったオムニバス、何て豪華な短編集♪
本を読む人ならきっと、男女を問わず誰かしらお好きな作家がこの中にいるであろう。
私は石田衣良と吉田修一、角田光代が好きだ。石田氏に関して言えば全作品を読んできている。だから当然これも読み逃すまいと手に取ったわけだ。

こんな風に作者読み(好きな作者の作品を片っ端から読みつくすタイプを指す私の造語?)するためにこうしたオムニバスを買う人、読む人は多いだろう。
しかしオムニバスの醍醐味はそこから始まる。まずお目当ての作家を読む。
そして本の題名のように、どこかへ・・・今まで知らなかったどこか=未読の作家の領域へとページを進める、旅に出るのだ。

■まず私は順を追って読む。吉田修一。先日ミステリーの『悪人』で初めて出会った作家だ。あの作家がこんなかわいいショートを書いているなんて!純恋愛ものを書くなんて!
驚きとともにこの本の旅は始まった。
■次の角田さんも知っている作家だ。こちらはこの人らしいなと思ったけど最近読みふけっているせいだろうか、三浦しをんに作風がにてないかな。ともあれ、ひきこもりになった姉をク塚ってどこからか借りてきた高級車でドライブへと誘い何気にはげます小憎らしい弟が素敵だ。
■さて毎度さらっといい話を残してくれる石田氏に辿り着いた。う〜ん、ちょっと感慨浅くイマイチだったけど、この人はショートには向かないんじゃないか?と発見?した。
人間関係を描きながら人と人との物語を語るのが、この人の分野なのだ。
■「葛の花 踏みしだかれて 色あたらし この山道を いきし人あり」私の尊敬し愛する作家、折口信夫さまの釈すなわち詩人としての短歌が最初にあげられているこのショートは嬉しい。それだけで嬉しがるのは林望氏に失礼かもしれないが。それくらいこの短歌は美しく強くたくましく、懸命な命の歌、私も大好きな歌なのだ。そしてその歌を裏切ることなく優しく強いショートがここにあった。
■この「娘の誕生日」はさら〜っと飛ばし読みしていったんだけど、最後の最後で感極まり!
成長して親元はなれた娘から誕生日に電話がかかり「ありがとう」と母親に告げる。「あなたが(誕生日)おめでとうって言われる日でしょう?」と問い返す母に娘は理由を言う。
誕生日は子供のほうが親に産んでくれてありがとうって感謝する日なのだと。
しかもそれを教えたのはどうやら「彼氏」。私も彼氏が出来たらいつかこの手を使ってやろう。
■そして最後の「あなた」と「私」は老いた母と娘のドライブ。娘の運転で母親と二人どうやら旅行に来ているらしい。ふざけたりおしゃべりしながらドライブをする二人、最後に助手席の母を見てどきりとする娘、こんなにも顔が、頬が、薄くなっている、こんなにも老いてしまった母。
私の母は今こんな気持ちで私の祖母、彼女の母を車に乗せているのだろうかと・・・そう思うと今から苦労ばかりかけている自分自身が少し悔やまれる。
きっと私が今の彼女(母)と同じように彼女を助手席に乗せてドライブへと誘う時がきたら同じようにその老いた肌の色にドキリとするのだろう。
BGMはさだまさしの「コスモス」♪

とまあ、ざっとこんな感じだ。どれも素敵なショートストーリー。
きっとお気に入りの作家を発掘できる。ぜひ一読あれ。

あなたと、どこかへ。 eight short stories
あなたと、どこかへ。 eight short stories

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『あなたと、どこかへ。 eight short stories』 by 8人のオムニバス ■空蝉草紙■/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる