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zoom RSS 『百物語の怪談史』 by 東雅夫

<<   作成日時 : 2007/11/04 00:32   >>

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百物語・・・真夏の暑い夜、涼をとるため肝試しや怪談話をするというのは今も昔も同じこと。暑くなれば涼をとり、平淡な日常<ケ>が続けばマイナスの<ハレ>を求めて、そうして百物語会は開かれる。
ホラー映画や猟奇小説といった類がいつの時代にも人気を維持し、常に新しい更なる・・・より一層の恐怖を人間はもとめ、特に文学や演劇、美術といった芸術においては特に顕著である。人は何に恐怖し、なぜ恐怖し、何がその恐ろしさに拍車をかけるのか?
百物語について言えばそれほど「恐ろしさ」が倍増していくという感じはあまりしない。
どちらかというと慰み物のお話、お化けが出るぞ〜っといった肝試し的な遊び感覚が抜けない。それでももっともっとと繰り返し行われ、夏の定番となったのにはわけがある。
本書ではその点についてもあいまいながら触れている、が、私は理屈ぬきでこれはもう、畏怖を求めて止まない人間の本能といえるのではないかとすら思うのだ。
人間の最も本能に訴える感情は「恐怖」であり「驚き」であり、突き詰めて言えば『聖と俗』でいうところの「戦慄する」ということであろう。
非日常的なこと、ひやりとする・・・恐がったりビックリしたり、驚いたりする・・・そういう「戦慄」へのピュアな憧れ、欲望が彼らに怪談話(百物語)をさせ、様々な物語がそこから生まれる。
百物語は、怪談話をすることに意味があるだけではない。百物語した後にくる安堵と恐怖との混在、そしてそこから始まるいわば101話目にこそ本当に彼らが求めたホラー、戦慄がある。

本書に紹介される数々の百物語とその背景。恐怖、戦慄のオチをもつ百物語会も、まるっきりおふざけでお笑いのうちに終わってしまう百物語会のオチもある。(私はこのような形のものを百物語への冒涜であり堕落であるとすら思ってしまうが)
百物語の発生(誕生)から広がりと発展(成長)、そしてその堕落(というのが適切でないのなら変化)までをも紹介し、遠く中世から現代までを語りつくす。

私が先に「畏怖を求めて止まない人間の本能」といい、私はこう思う、と言ったのにはわけがある。本来書評や感想を書く際に「私はこう思う」などと意見を書くことは無いのだが、あえて書いたのは本書が1.アンソロジー 2.エッセイ 3.ブックガイド の3部構成に仕立てられ、百物語について考察するための索引であり「百」科事典であるかのような気すらしたからだ。
広く浅く、あえて著者の考察を押し付けずあいまいなままに書かれている。
(というのが著者の意図なのかどうかは又別として)これをお供に文献を探していけばかなり面白い探検ができるというものだ。
図書館に行く時にお供にしてやろう、そう思える百科事典が一つ増えた。

ひとつ、失礼を承知で言わせていただくとこの著者・東氏はあまり文章がお上手とはいえない。人のことを棚にあげて・・・といわれるかもしれないが私は物書きではないから別に下手でもかまわない。 しかし東氏はなんというか・・・前後の文章との流れが綺麗に繋がっていないというか、接続詞とかちゃんと使えてないというか。無論100%というのではなくたまに、そういうところが見受けられるだけなのだが、目に付く鼻につく。以前にもそう感じたことがあったのでやはり、と思った。FANの方には申し訳ない。

百物語の怪談史 (角川ソフィア文庫 (SP354))
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内 容 ニックネーム/日時
こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま〜す。よろしくお願いします
http://www.fetang.co...
2013/08/06 21:58

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