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zoom RSS 『月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿』 by 鯨統一郎

<<   作成日時 : 2007/12/18 00:25   >>

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萩原朔太郎と室生犀星がホームズとワトソン君として探偵ごっこを繰り広げるもしもシリーズのような短編集。いつもながら鯨氏の自由奔放な発想とその展開には驚かされる。
著者の手にかかれば歴史的事実もへったくれもない。
捻じ曲げることなく合理的に、しかしとんでもない回り道を経て新解釈・・・というかパラレルワールドを楽しませてくれる。デビュー作『邪馬台国はどこですか?』からほぼ一貫して言えることは、著者の作品はどれ一つとして歴史をひん曲げるものが無い、ということだ。
つまり式と答えはあっているのに途中計算が間違っているようなものか(^_^.)

とんでもない展開を創作し、ありえないような物語が飛び出してくるにもかかわらず、当時の歴史的背景、風情、その土地と人、社会、政治・・・などはしっかりまともに描かれている(笑)

本書でも然り。
まあ、萩原朔太郎が本当に探偵ごっこにかぶれていたかとか、マンドリン教室で片想いをしていたか・・・とか、そんなことはどうでもいい。
注目すべきはその同時期を生きた詩人や作家、画家達などをさらりと登場させ、ぞんざいにすら使ってしまうこの自由さ。何気なく使われる小道具や当時の町並み暮らしぶりがなんともレトロ感たっぷりで楽しませてくれるということである。
萩原と室生は勿論のこと、北原白秋や竹久夢二、与謝野晶子にらいてう・・・当時の駆け出し作家から売れっ子作家までちょこまかと顔を出し、口に上る話題などは当時の世間話を立ち聞きしているかのように楽しい。

本書の萩原朔太郎は、実際こんな変人であったかどうかは別としても、京極シリーズのエノさん並に魅力あるキャラである。

「真実は、論理を超えたインスピレーションの中に隠れているもの」

詩的インスピレーションを応用して事件を解決する・・・まあ推理小説などは推理小説作家が事件を作って事件解決までを考え出しているのだからそれもありかもしれない(笑)
爆笑するほど面白いわけでも、ミステリーや構想が凝っていうものでもない。
しかし鯨作品群は 私に意味など無くても面白ければそれだけで読書には価値がある、と思い出させてくれる貴重な作品であるからだ。

月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿 (徳間文庫)
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