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zoom RSS 『東京奇譚集』 by 村上春樹

<<   作成日時 : 2008/02/06 00:27   >>

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東京に住む「普通」の人間達の、普通でないものに出くわしてしまったちょっと不思議な短編集。
最初の村上氏自身の体験談でもある「偶然の旅人」にも述べられている・・・
「偶然の一致と言うのは実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうか。でもその大半は僕らの目に留まることなくそのまま見過ごされてしまう。しかし僕らの方に強く求める気持ちがあれば、僕らの視界の中に一つのメッセージとして浮かんでくる」・・・
この文に、この五つの物語すべてが集約されている気がする。つまりどれも偶然だったり突然だったりの予期せぬ出来事に始まり・・・いや、ちがう。
そういう事態が起きていること、おきていたこと、その渦中に自分がいたのだということに気がついてからの、もしくは気がつくまでの物語なのだ。

東京という最も「現代」らしい生活の場に息づく人間たちは、こんなにも不可思議で奇妙で突然の偶然に囲まれているということを忘れがちだ。無論これは東京に限ったことではないが。

彼らが当たり前の普通の毎日にあけくれ

1、ゲイをカミングアウトしたため「家族」を失った調律師、
2、ハナレイベイで鮫に息子殺された母親。彼女nは何故か「片足の日本人」が見つからない。
3、失踪したとある男を捜すよう妻から以来をうけた一人の男。彼が探すのはその男ではなく「何をなくしてしまっているのか」というjこと。
4、人生には「本当に意味がある女」が3人だけいる。父の言葉にとらわれ女を捜し続ける小説家。
5、自分の名前が想い出せなくなった女性が、本当は何を無くしているのかを知るまでの物語。

どれもこれも彼らは皆、何か大切なものをなくして前に進めなくなってしまっている人たちだ。
一つの偶然やきっかけが彼らにそのときを執着させ、心がそのときから動かなくなってしまった人たち。しかし彼らに訪れる新たな契機がそんな彼らを突き動かす。
新しい現実を歩き始めるようになるまでの・・・つまり吹っ切れるまでの物語が本書を構成する。

あなたは、私は、何か取るに足らないけど大切なものをどこかに忘れてはいないだろうか?
向き合うことから逃げて、同じときと場所を繰り返してはいないだろうか?

東京奇譚集 (新潮文庫 む 5-26)
東京奇譚集 (新潮文庫)

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コメント(2件)

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「東京奇譚集」おもしろかったですね。
表紙の猿の絵も気に入ってもらえると嬉しいです。
eno(・c_・`。)
eno
2008/02/07 10:10
はじめまして、enoさん。
猿の絵、勿論素敵だし、私は好きです(#^.^#)
日本画的で幽玄さがふんわりとにじんでくるような、少し不思議で可愛らしい猿が。
ところで・・・気に入ってもらえると嬉しい、ということは作画のご本人様かご関係者でいらっしゃいますか?
空蝉
2008/02/11 02:10

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