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zoom RSS 『夜を守る』 by 石田衣良

<<   作成日時 : 2008/04/05 17:57   >>

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『IWGP』でおなじみの作者、石田氏が描く物語は東京への愛情があふれている。
ご自身がインタビューなどでも答えているように、著者は都会生まれであり、都会がふるさと、の人である。
「東京には空がない」という名詩を連想する今日の東京だが、石田氏が今回描いたのは東京の夜。
空なんぞあろうとなかろうと関係ない。そこにあるのは人と人との出会いと別れ、事件の起こりと展開と終結、そしてつながりだ。
なんのことはないごくフツーの都内在住の青年(?)3人に一人のいわゆる障害保持者が加わって、4人のガーディアン(守護天使)が活躍する。
活躍、といってもすることはアメ横に雑多に並んだ自転車を整列させたりごみを拾ったりと、ちょっとしたボランティア活動となんら変わりはない。 ただそうして街が少しでもきれいになり、見る人の心に「綺麗な街」が映れば人も街も生まれ変わるんじゃないか? そんなささやかな活動だった。

実際にこうした活動をしている若者がいるというニュースもたまにだが耳にする。
現実にそうした活動をする人たちが小説に書いてあるような展開を望めるべくもなく、ただただ平凡な毎日、ボランティア的な活動の繰り返しで終わるのだろう。
けれど自転車を懸命に整理しているすがすがしい青年たちの目の前で自転車を放置できるだろうか?ごみを懸命に片付けている人の前でポイ捨てできるだろうか?
(ここで「できる」と答える人は、以下読まなくても結構。)
本作はそうしたちょっとしたことを毎日欠かさず続けている地道なガーディアンを目にした、ちょっと問題を抱えている困ったさんがSOSを発信し、彼ら心優しいガーディアンがちょっとした手助けをしてやる、夜を守る、そうしたなんとなくいい話、な物語である。

本作中、九州から上京してきて東京でシンナーにはまって落ちぶれかけた青年が登場しこんなことを言う。


これにたいしてガーディアン・アポロは東京人の江戸っ子精神?を語りだす。


これは「最近の若者は・・・」なんてひとっからげに目を吊り上げる年配の方々に私がいつも思うことでもある。 いわれなくても手を差し伸べる、困っていそうなら助を乞われる前に助けてやる、それはそれでご立派な精神だ。けれどそれは助けを待っていれば誰かが助けてくれる、他力本願の温床になる可能性だってあるのだと、そういいたい。
困っているなら助けてと叫べ。寂しかったら仲間に入れてくれと声を上げろ。
それが必ずしも報われるとは限らないけれど、沈みかける船で救助をただ待っているだけよりよほどいい。

夜を守る
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