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zoom RSS 『鬼のすべて』 by 鯨統一郎

<<   作成日時 : 2008/05/12 10:45   >>

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『邪馬台国はどこですか?』で有名になった鯨氏・・・彼は歴史的ミステリー作家として類まれなる成功を収めていることは周知のとおり。 頭の固い学者が何人そろっても思いも付かないような、奇天烈な発想、珍妙なな着眼点、斬新な切り口。
鯨氏の手にかかれば人類学であろうが民俗学であろうが歴史学であろうが、あらゆる文化にみたこともない「色」がつく。
だから今回もかなり期待して読み始めた。なにしろ私の好きな『鬼』がテーマだ。民俗学の大御所ではないか!鬼のすべてをたったこれだけの文章で、しかもミステリーという軽いタッチで万人向けにストーリー上で説明する?わくわくしながら読み始めた・・・のだが、正直、期待はずれだった。
というより、民俗学に興味が無ければ普通に面白いのだろう。鬼について何も知らない、ごくごく普通の「鬼退治の鬼」しか思い浮かばない人が大多数だろうから、普通の人にとっては「へえ〜!?」とトリビアボタンを押したくなることと思う。

本作は私にとって民俗学的「鬼」のテーマとしては貧弱だしありきたりの諸説をピックアップしたに過ぎない、民俗学の「復習」にすら値しないものだった。ただミステリーとしては(文章力・ストーリーとしてはやはり貧弱なのだが…)奇抜かもしれない。
面白い、というより裏切られてばかりだ。わざと引っ掛け問題、引っ掛けるためのヒントをぼんぼん出して、引っ掻き回して、後半いきなりぽっと出た人が犯人だったりする。しかもその最後の展開はわかりやす〜くながれてしまう。ミステリー、というか宝探しのような感覚だろうか?

あとはどの作品にもいえること、鯨氏の考える「鬼の正体」を現代に投影し未来へと思いをはせる、そんな終わり方をしている。 日本では何か悲惨な犯罪が報道される際、「心の闇」と言う言葉が乱用され、さらに凶悪犯を「鬼の形相」などと言い表し。あらぬもの、魑魅魍魎、架空のモノに想像力を働かせ言葉を当てはめて蓋をする。
気軽に言い散らかしている「鬼」という言葉、おそらく日本で一番有名で古き歴史を持ち、さまざまな変遷を経て姿かたちを変えてきた『鬼』。その言葉がいったい何を表す言葉なのか、何を表すべきなのか、どう認識すべきなのか?
そんなことを考えて見るいい機会になればいい。

鬼のすべて (光文社文庫 く 10-7)
鬼のすべて (光文社文庫)

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