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zoom RSS 『赤×ピンク (ファミ通文庫)』 by 桜庭一樹

<<   作成日時 : 2008/06/23 09:41   >>

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桜庭一樹は少女の代弁者である、というのがどこか定着している。けして少女だけを扱ってきたわけでもなく、本策も登場するのはgirlというよりはlady・・・恋愛も友情も肉親も、下層から上層まで幅広く舞台に構える桜庭作品、それでもなお少女の視点が失われないのは、女そのものが純粋に危うく揺れる少女という幻想を持ち続ける生き物だからかもしれない。
少女は憧れ焦がれる生きた結晶だ。
簡単に壊れ容易く揺れ動き、すんなり憧れた色に染まってしまう、大人に憧れつつ全力で拒否する矛盾そのもの。
それでも人は色々なものを失って大人になっていく・・・だからこそ「何か」を喪失進行中の少女は必死に「何か」に憧れ、縋りつき、ソレを探し続ける。
そして、本作品の少女達のその「何か」は彼女らの居場所そのものなのだろう。
深夜、廃校で行われる違法のガールファイティングマッチ。怖れつつも出られずにいた「檻」から世界に逃げ出したまゆ、愛されるように演じ続ける自分を捨てて格闘の中に己の世界を見つけたミーコ、「女」を拒絶し「家」から逃げ、ようやく一人の女を愛し初めて自分と向き合えた皐月。
設定も舞台もフツーではない、登場する彼女達もフツーとはとてもいえない。
彼女らの心の動きにも結末にも納得いくか?と問われれば正直YESとは言い切れないが、それでもどこか共感し、何の不思議も感じないのは、彼女らの発するピンク色した結晶の光が私の中にもまだ流れているからかもしれない。理屈ではなく感覚的だがこれ以上無いくらいハッキリ肯ける一つの答え。
彼女らが格闘技の中にソレを見出したように、私にはソレが感じ取れる。そのことに何か嬉しくて、どこか安堵する。

いつか著者もこの感覚を忘れていくのかもしれない。こうした少女のリアルさを表現できなくなるのだろう。
そして私もいつか、今このとき感じているようなピンク色の感情をなくしていくのかもしれない。そしてどうしてあの時この作品にあんなに共感できたのだろう?とこぼすことになるのだろう。
だから、今この感想を、共感を、伝えたい。
まだ手にとっていないあなた方へ。




赤×ピンク (ファミ通文庫)
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『赤×ピンク』/桜庭一樹 ◎
なんだか、ついこの間も書いたような記憶があるんですが、桜庭一樹さんの描く少女は、痛くて切ないなぁ・・・。 夜な夜な、六本木の廃校で開催される「ガールズファイト」。少女と女の中間のようなハタチ前後の女の子達が、自らの技能(ショーとしての格闘技)をつくして、闘う。彼女たちの迷いと、真剣さと、闘いは、この上もなく血みどろで美しい。 ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2008/07/29 21:47

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
空蝉さん、こんばんは(^^)。
TB&コメント、ありがとうございました!
まゆ・ミーコ・皐月の3人の少女性と迷い世界を切り開いてゆくさま、桜庭さんが描くからこその力強さがあったな〜と思います。
だからこそ、空蝉さんの
>だから、今この感想を、共感を、伝えたい。
まだ手にとっていないあなた方へ。
が響きます。
そう・・・、読んで欲しいです。
ただ今、「少女」の真っただ中にいる、彼女たちに。
そして、「少女」だった、彼女たちに。
また、「少女」にはなり得ないけど、何かを求めてやまない「彼ら」に。
水無月・R
2008/07/29 21:56

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