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zoom RSS 『花がふってくる』 by 崎谷はるひ

<<   作成日時 : 2008/09/29 15:27   >>

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今市子さんの美しい表紙につられて衝動買いした私がいうのもなんだが・・・表紙に負けず劣らずなかなか読ませてくれた。
描かれるのはどこまでもだらしなく子供っぽさとあどけなさが残る居候主人公・秋祐と、同い年で従兄弟でありながら正反対に大人びて自立している同居人・涼嗣。 子供の頃からひそかに恋焦がれ続けた涼嗣に結婚話があがるところからこのドラマは始まる。

周りの全てのことに興味も執着も持てず厭世的な生き方がしみこんでしまった涼嗣。
そんな涼嗣を遠巻きにしてしまう周囲の人間がこぞって愛情を惜しみなく注いでしまう頼りない秋祐。
同じく秋祐と正反対な姉・夏葉に、かつて涼嗣は憧れにも似た恋心を抱き、そんな二人の世界をある夏の日に垣間見て、秋祐は嫉妬した・・・そしてその日からずっと、彼の心は諦めは続いてきた。 

二人の関係はどこまでも兄と弟、保護者と子供のような関係だ。が、本当は何にも執着できず、そのわけすら知らずに過ごしてきた涼嗣こそが未熟なのではないかと、ふと思う。
何にも執着できないのは実は最も執着している・・・愛するものが、既に手に入っているものだと知らずに安心しきっていたからだと。
あまりに近くて空気みたいに自然だったから、失うまで気が付かなかった・・・なんてのはよくある話。よくある言い回し。
けれど根の部分からあまりにもクールな、どこか人として欠けている彼(涼嗣)の、それに気が付いたときとった行動、その豹変振りがあまりにも突飛でいっそすがすがしく思い切りよく・・・私は今までに無い高揚感と臨場感すら感じた。
単に近くにいるのが自然だったから気が付かなかった、なんてものじゃない。
彼が思い至ったのは、手に入れていたと思っていた、だ。既に所有物!どこまで高慢ちきなんだ、この男は!(笑)
従兄弟という血のつながりのある同い年の友人である秋祐は、涼嗣にとって最初から当たり前に面倒を見る、傍にいて全てを把握しているのが当たり前の存在でありすぎた。
その当たり前の存在に把握していないものがあると知ったとき、自分のものでない部分があったと知ったとき、それが全て失われたとき。それらが秋祐の告白と「家出」で全て同時に降りかかってくる。

涼嗣のあまりに遅すぎる認識にも、その後の展開の急激さにも苦笑しか浮かばないほど呆れかえってしまう。
ただ、ハッピーエンドで終わらないこのもどかしさと「家」や現実のリアルさが妙に生々しく最後まで引きずるのが面白い。これはシリーズ化するのでは?とさえ思わせる。いや、するのか?(笑)
ナンにせよ、今後が気になる余韻を持たせる作品だ。


花がふってくる (DARIA BUNKO)
フロンティアワークス
崎谷 はるひ

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