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zoom RSS 『東京バンドワゴン』 by 小路幸也

<<   作成日時 : 2009/01/16 12:55   >>

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『サザエさん』が『男はつらいよ』風になって、彼らにミステリーを展開させたらこんな感じ・・・かもしれない。
明治から続く由緒正しき古本屋その名も『東京バンドワゴン』。そこには笑いあり涙ありのどたばた悲喜劇がくり広げられ、なんとも個性豊かな面子を揃えた大家族が店を切り盛りしている。
伝説のロックシンガーは愛(LOVE)を語り、他界した祖母は未だこの世で彼らを温かく見守り、子供たちと孫たちとその家族たちはサザエさん顔負けの賑やかな毎日を盛り立て・・・世代も感覚も性格も皆が皆、いい味を出していて飽きることないホームドラマだ。堀田家9人。主要メンバーだけで9人!顔と名前を覚えるのが苦手な私にこれが区別できるのか?実はそれが一番の難関となるかと思っていたのだが、読んでみればその不安は見事解消した。
もちろん挿絵がある絵わけでもなし、顔を拝見したことはない彼らだが、私の目にはありありと其々の個性を醸し出した顔が、イメージが出来上がっているのだ。ああ、これは源氏物語にも感じたことだなと思う。(あれほど女ばかり一人の男・源氏の周りにとっかえひっかえ出てくるというのに、どの姫がどんな女であったか、覚えているのだから!)まあ、これに関しては大和和紀さんの『あさきゆめみし』のおかげがあるのだが(笑)

さて、そんな堀田一族が織り成す春夏秋冬の4章から成るこのお話は、どれもミステリーとなっている。
古本と古本屋『東京バンドワゴン』に出入りする、本と人間が持ち込むちょっとした謎が、この人この場所・堀田ファミリーによってちょっとしたどころではない大事に発展し、その根っこに燻っている過去を引きずり出す。
引きずり出す、というのは適当ではないかもしれない。ここは古本家業らしく虫干しをする、といった方が良いかもしれない。
暗いものも悲しい過去も燻っている感情も、たまには日の光に当てて手入れして整理して・・・堀田ファミリーの手による事件解決にはそんな優しさとニクイほど行き届いた思いやりがあふれているのだ。
偉大なるお節介、大いに結構。
彼らの手にかかればきっと全て丸く収まる。角張ったものも丸くなる。柔らかくなる。温まる。
世知辛いこの世の中で人情だなんだと嘯くつもりはないけれど、たまにはこんな素敵なホーム劇を見守ってみるのもいいんじゃないか。



東京バンドワゴン (集英社文庫 し 46-1)
集英社
小路 幸也

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