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zoom RSS 『犯罪小説家』 by 雫井脩介

<<   作成日時 : 2009/03/12 09:03   >>

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恋愛小説といったら恋愛(ラブストーリー)を、歴史小説といったら歴史をテーマに扱った小説。
推理(ミステリー)小説といったらなんらかの事件とその解決までをを描くもの謎解きを描いた小説。
怪奇・ホラー小説は奇妙な、恐ろしいホラーな出来事を題材にしたものを指す。

では犯罪小説とは何か。犯罪そのもののために描かれた小説、そうした作品を書き続ける小説家とは一体なんなのか。
その一つの提示がここにある。
小説にせよ絵画にせよ、何かを作り出すものには多かれ少なかれ自分の過去あるいは現在の己自身を投影せずにはいられない。例えそれが意識的にせよ無意識のうちにせよ、それを作り出す造形者が感情を持つ人間である限り作り出されるモノには何がしかの影響が出るのは当然のことだろう。
本書に登場する小説家・待居はいわゆる直木賞のような大賞を『凍て鶴』にて受賞し一躍大成したが、映画化を手がける人気脚本家・小野川はその作品に漂う救いの見えない暗さ、陰鬱さに伝説的な集団自殺サイト「落花の会」を結びつけようと躍起になる。
一部で伝説的にも語られるその美しい入水自殺でサイトの幕を閉じた落花の会運営者・木ノ内蓮美を『凍て鶴』のヒロインに無理矢理重ね、事件と作品とを関連付けることに異常なほど積極的な行動をとる小野川は当時『落花の会』を追っていたライター・今泉や会の関係者までも巻き込む。次第に明らかになっていく落花の会のメンバーとその最期の真相、誰が木ノ内を自殺に見せかけ殺害したのかという「犯罪者」なのか・・・。

全体的に何が事件で何が犯罪で何が罪なのか、よく解らないというのが正直なところだ。つまり犯罪の目的も被害者も犯罪そのものも不明瞭で一体何が問題なのか、どこに不都合があるのかがわからないため魅力がない、ということだ。
ただ読者は「誰が犯人か?」という点ではなく「何が犯罪か?」というスタート地点そのものに右往左往しだまされることになる。そもそも何が犯罪なのか?そこから推理が始まるという意味ではなかなか不思議なミステリーといえる。
前半の主観は『凍て鶴』の著者:待居で、執拗に自殺サイト『落花の会』に結び付けようとする小野川への不快感から読者は小野川が待居へストーカー的な犯罪を起すのではないか、もしくはかつて起した事件を自虐的に掘り起こそうとしているのではないかと懸念する。やがて主観は『落花の会』を追っていたライター今泉へと移り、会の結末に殺人があったのではないかということ、その犯人が小野川なのか待居なのかまだ見ぬ第三者なのか・・・と読者の目も移っていくわけだ。
その意味では非常に二転三転させられる犯人像、いや、事件そのものの有り無しから私たちは転がされる。

新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は『凍て鶴』に並々ならぬ興味を示し、この作品のヒロインには、かつて伝説的な自殺系サイト〔落花の会〕を運営していた木ノ瀬蓮美の影響が見られると、奇抜な持論を展開する。待居の戸惑いをよそに、さらに彼は、そのサイトに残された謎の解明が映画化のために必要だと言い、待居を自分のペースに引き込もうとしていく。そんな小野川に、待居は不気味さを感じ始め―。全篇に充ちた不穏な空気。好奇心と恐怖が交錯する傑作心理サスペンス。 (Amazonより)

犯罪小説家
双葉社
雫井 脩介

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