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zoom RSS 『姫百合たちの放課後』 by 森奈津子 ハヤカワ文庫JA

<<   作成日時 : 2009/09/28 12:56   >>

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はじめに言っておく。たとえBLが大好きな腐女子であろうとも、私はレズではない。SM愛好家でもそっちの趣味もあっちの趣味も官能小説さえ手に取ることは滅多にない。だからこんな作品を読む機会を得られたことは幸か不幸か奇跡に近い。なんといっても描かれているのはBL顔負けの女の子たちの同性愛モノ。言ってみればGL(ガールズラブ)だ。ノーマルな方には章が進むにつれて目も当てられないほど?過激なHシーンに突入するし、ハッキリ言って一定の年齢を満たしていないお子様には読ませない方が健全だ。もしこの女の園だけで産まれた作品によって「あちら」に目覚めてしまったら・・・下手したら日本の少子化問題に拍車を掛け兼ねない(笑) 

さてその内容だが。
まず著者のデビュー作である表題作『姫百合たちの放課後』では清廉にして美しき憧れの先輩静香お姉様を、サディスト改め同級生の魔の手から守ろうと奔走する妄想激しい後輩純子の謀略が友人レイを巻き込んで炸裂する。
学園の光源氏(注:女子高生)の異名をとる友人レイすらも手玉にとってサディストの生贄にしてしまう純子。
そうして悲劇を蒙ったレイだが、彼女は彼女で純子に報われぬ想いをけなげに、いやもう本当にけなげにアピールし、二人の(+たまに乱入者も)コントのような交換日記が続編として収録されている。
ノーマルな方はここまででやめておいたほうが正解だ、というのもとりあえずここまでは、まあ笑って笑って笑って終われる前座。次章あたりからは・・・とてもおおっぴらにはご紹介しがたいあんなことやこんなことがそりゃもうリアルに事細かにそして小悪魔てきに描かれるのだ。切ないとか純情なとか哀切な悲劇を本書に望んではいけない。
その代わり笑いと驚きと未知の世界(?)を読者はむせ返るほど堪能させられることは間違いない。

『仮面の告白』『ガラスの仮面』『花と蛇』など古今の名作のパロディやら宇宙人侵略、オリンピック種目となった同性プレイなどなど、突拍子もない奇想天外な設定がノーマルな読者をアブノーマルへと引き込んで・・・いやいや、楽しませてくれる。

特筆すべきは最終章。著者の私小説とも自伝とも取れる「ひとりあそびの青春」は文庫化にあたっての追加収録のようだが、これこそ著者の叫びである。彼女の恐ろしく力強い同性愛への崇敬っぷりは尋常じゃない。あまりに突き抜けているためかえってこちらは気持ちがいい(と思うあたり私も洗脳されかかっているのか?)
著者自身の若き頃、情熱と世間への苛立ち、それらをぶちまけるように発散させた自慰行為とその犠牲者たる男子も1名・・・ここまでくればもう何も言うことはない。この著者の完全アブノーマルな独白劇にて、本書に登場した様々な姫百合たちを代弁し面白いくらい上手い結びを実現しているのでこれはもう、文庫にて完成しているといっても他言ではない。(なにしろ文庫化にて追加された2編こそ、もっとも面白いNo1、2である、と私は思うのだから)

表紙の少しレトロチックでかわいい雰囲気にだまされ何気なく手にとった方はお気の毒だが期待は完全に裏切られよう。完全にノーマルな方や小さなお子様方もどうか健全な道を踏み外さないでほしい。
けれどそれでも読んでほしい、何しろそれだけ面白いのだ。

内容(「BOOK」データベースより)
「ああ、静香お姉様!気高く清らかな白百合!わたくしがあなたを守ってさしあげます!」―サディストの魔手が迫る美しき先輩・静香の純潔を守るため、一計を案じた女子高生・純子の奮闘を描く表題作、オリンピック正式種目となった“自慰道”に懸ける青春「花と指」、地球外生命の侵攻から人類を救うレズビアニズムの奇跡「2001年宇宙の足袋」など、可笑しくも甘酸っぱい全9篇を収録する“百合コメディ”作品集。

姫百合たちの放課後 (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
森 奈津子

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