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zoom RSS 『トワイライト・ミュージアム』 by 初野晴

<<   作成日時 : 2009/11/24 08:44   >>

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今まで読んできた初野晴の作品はどれもユニークな設定と暗く孤独な主人公たちと、シリアスな物語であったが、本書は少し趣が違う。
ストーリーを盛り上げる舞台には中世ヨーロッパで実際に行われた魔女裁判や公衆死刑という恐ろしい悲劇が設定されているし、主人公は身寄りのなくなった14歳の孤児、おまけにパートナーにもまた悲しい過去と実績が見え隠れする・・・と、楽しく楽観できる軽いファンタジーものではない。
ただ、不思議と重苦しく痛々しく後味の悪い物語でもないのだ。
それは本書が良くも悪くもライトノベルだから、に他ならない。

天涯孤独の14歳の少年、片岡勇介は養護施設から大叔父に引き取られることになったがその直後大叔父は急逝してしまった。里親と資材と、知識と智恵の世界の入り口、博物館を遺して。
次いで養護施設に残した友人ナナも事故に遭い脳死状態となったが、この特殊な研究を秘密裏に行っている博物館の研究者(学芸員)に拠れば、彼女の精神は過去に時間旅行(タイムトラベル)し、このまま放置すれば死んでしまうという。マシューホプキンス一味による凶悪な魔女裁判が行われる中世ヨーロッパに飛んだナナの精神は運悪く魔女裁判の被疑者・老婆アルドゴンドに入り込んでいるらしい。
学芸員の枇杷がかの時代に飛び、勇介は彼女を現世と繋ぐ命綱となって現世博物館の知識と智恵でサポートする、
運命共同体となった二人は何一つない世界でホプキンス卿らの行う裁判のトリックを見破らんと奔走する。


勇介が冒頭で語るように、まず信じられないファンタジーだし、曖昧でかなり甘い設定だ。
けれどそこをスルーし許されるのがライトノベル。こんなところでタイムパラドクスの理論がどうとか歴史的重要事項がどうのとか、そんなことを細かく指摘するのは野暮というもの。たとえ後半のホプキンス卿が仕掛けたトリックがドラマ『TRICK』とさして変わらないとしてもそれはそれでいい。
精神のタイムトラベルなら質量に関係なく可能だという理論も、そんな研究プロジェクトをたかが博物館で行われているというのも、彼らが過去に行った事でどれほどのことが「変わった」のかなども、全てスルーしてしまえばかなり入り込めるに違いない。
繰り返すようだがこれはライトノベル。軽くライトに小説の世界に入り込み彼らの心の中をじっくり堪能すればイイのだ。
前作「1/2の神話」でも孤独だった二人の魂は運命共同体となって力強く成長し、ドラマチックなストーリーを展開してくれた。



トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)
講談社
初野 晴

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