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zoom RSS 『シアター』 by有川浩 (メディアワークス文庫)

<<   作成日時 : 2010/01/27 15:40   >>

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画像久しぶりに読んだ有川作品だが今回は劇団モノ。
しかも人気はソコソコ在りながらも本人たちには自覚が無く、降って沸いたような300万という負債額に存亡の危機が迫っている「社会人」としては小学生並みの甘ちゃん劇団が、2年間で見事復活をとげるかどうか!?という青春映画のような、ある意味ベタでオキマリなストーリーだ。どうせまたうざいくらいの恋愛モノが入り混じった青春真っ只中、暑っ苦しい根性モノなんだろうな〜(もちろんいい意味で、だ) と思いきや、いやいや、、どうしてどうして。もっと単純に率直に、ライトノベルらしい面白さで十分に楽しませてくれた。

文庫での書き下ろし、しかもラノベというところがまた上手い。誰でも手に取りやすい分野と価格、さくっと読める分量と文字の大きさ・行間の広さ(笑)、専門用語を入れない解りやすい内容と一般離れしない「当たり前のことをして当たり前の売り上げを作る」という数字。
おや?これって当の劇団「シアターフラッグ」の在り方、コンセプトそのままじゃないか?

「どんなジャンルであっても客層を広げる可能性を持っているのは玄人好みの商品ではない。素人がカジュアルに楽しめる商品だ・・・それを軽んじる業界は廃れる。」(p190より)

おやおや、これってもしかして著者自身の本音だったりもしますか?などとかんぐってみたりする。

なにしろ著者本人が「あとがき」にも記しているようにこのストーリーを掴んでから3ヶ月弱で書き上げたのだ。素人が付け焼刃の業界知識で書いたに等しい。だから当然内容も浅いし、演劇の奥深くまで掘り下げてるわけでも、メディア的な背景や演劇界の厳しさがさほどリアルに描かれているわけでもない。 それでも多くの読者はきっとこの本に、劇団「シアターフラッグ」の彼らに感情移入せずにはいられないはずだ。有川作品の魅力は専門用語でも詳細な知識でもマニアックな楽しみでもない、それを感じさせないくらいノンストップなノリと、個性豊かなキャラクターたちの絡みと、彼ら個々人の悩みや背景(事情)がうまくミックスされていてひたすら始終楽しく面白くよおめるというところにある。だから「素人がカジュアルに楽しめる商品」としてこれだけの人気を維持し続けることが出来るのだ。

さて、本編だが。
よく言えば仲の良いアットホームな、悪く言えばやりたいことだけやって自己満足しているお子様集団「シアターフラッグ」だが、主宰&演出の巧が、声優などで名前が知れているプロの千歳の入団によって「上」を目指しだしたことからバランスが崩れ経理が退団、借金300万が降りかかった。甘え上手な巧が頼った兄・司は借金を用立ててくれたが、自ら経理を徹底管理しそれでも2年後全額返済できなかったら劇団をたたむ条件を突きつける。コレで身を滅ぼした父を見ているだけに弟を何としても演劇から足を洗わせたいのだ。
とはいえ、なんだかんだ言いながら司はあらゆる手で経理から集客までを見直し、あっという間に立て直していく。
そしてそんな守銭奴管理の下、ネームバリューと声色だけはある期待の新人・千歳と、イジメられていた幼少期に鍛え上げた脚本力の巧、そんな彼を偲ぶアネさん看板女優、神経質なペシミストに浪花節、熱血漢にうっかりモノ・・・本当に個性的な彼らが始終読者を楽しませてくれる。

欲を言えばもう少し其々の事情を細かに丁寧に描いてくれれば、其々の役者にファンがついたのに・・・と、いつの間にか読者は観客になっている。でもそこは「2巻」に続いてくれることを願おうではないか。
何しろ、有川作品の得意分野?な「ラブラブ」が何一つ成就していないのだ。コレは続か無くてはいけないだろう(笑)

今回の焦点は巧と司、そして千歳の3人に絞られた。
仲でも千歳と司の、かまってもらえない哀しさ、入り込めない寂しさ、にはけっこう共感できる人、特にダメダメな弟・妹を持った兄・姉さん方がいるのではなかろうか。
その辺りもかなり美味しい要素である。


シアター! (メディアワークス文庫)
アスキー・メディアワークス
有川 浩

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『シアター!』/有川浩 ◎
鉄血宰相、ゲキ萌えー{%ハート4webry%}!! (↑・・・のっけから、何を言う水無月・R。) この人ヤバイ、と思った人?・・・ハイ、そこで回れ右して脱出して下さい。 毎度の如く、萌え萌え無法地帯、人格破壊バージョンで行きますよ〜♪ ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2010/02/23 22:16

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
空蝉さん、こんばんは(^^)。
相変わらず有川作品萌え全開で、読みました〜!
そうですよね〜、絶対に!続巻希望ですよ!
鉄血宰相・司がもしもベタ甘ラブロマになったら・・・!想像するだけで鼻血が出そうです(笑)。多分キャラ的に無理?でも、有川さんならやってくれそうな気が・・・!
水無月・R
2010/02/23 22:22
ほんっと、これはもう熱血モノ、スポコンモノといってもいい感じでしたね〜
やはりこれは熱血宰相が・・・ふふ、展開が楽しみです。
おそまきながら
2010/02/26 19:26

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