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zoom RSS 砂漠のオアシス、ジャスミンの香する。  映画『バグダッドカフェ』より

<<   作成日時 : 2010/02/23 16:47   >>

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どうやらこの映画はものすごく有名らしい・・・ので今更この映画、すごくいいよ!なんて声高に言うのは気が引ける。
それでも言わせてもらおう、この映画、いいよって。

舞台はアメリカ西部の砂漠にポツンと位置する寂れたボロボロモーテル「バグダッド・カフェ」。
苦生活に遊び呆ける娘途方に役立たずの夫に・・・と日々に疲れきた女主人ブレンダが営むこのカフェは、下手なピアノをかき鳴らす青年や落ちぶれた画家など、同じくあぶれモノの集う吹き溜まりだ。

とうとう夫が喧嘩別れして逃げ出し女途方にくれているブレンダの前に、一人のおデブなおばさんジャスミンが現れる。
実は彼女も同じく、夫と喧嘩別れし砂漠に一人置き去りにされた口なのだが、ブレンダはそんな事情を知る由もなく、
奇妙な来訪者を訝しむ。はじめこそ追い出そうと躍起になるのだが、ジャスミンの立ち回りであっという間にカフェは
砂漠で水を得た魚のように回りだす。
整理整頓されたオフィス、客を迎えることのできるカフェ、ピアノの音は滑らかに流れ、アバズレ娘は家に戻り、ジャスミンに魅了された画家は筆を執り、「茶色い水」はコーヒーに変わり・・・
ジャスミンのマジックショーとブレンダたちのピアノと踊りと歌声でカフェはにわかに活気付く。
客で溢れるバグダッドカフェ、まさに砂漠のオアシスとなっていくのだが、そこにジャスミンの帰国を促す知らせが届き・・・

と、まあストーリーとしてはとてもシンプルで解りやすく、面白い。
心温まるストーリーといってしまえばそれまでかもしれないが、シンプルに素直にストレートに心に優しく流れるのだ。
全体に漂うけだるいムードと物憂げに流れる緩やかなメロディー『コーリング・ユー』、次第に変わる曲調とテンポと共に
人々の動きや表情が緩やかに優しく笑顔に変わっていく、そのあまりに自然な流れが観るもの全てのこころもまた
温かく包み込んでくれるのだろう。
ハリウッド映画などでは決してつむぎだす事が出来ない、また現代の美しい処理の施されたフィルムではけして再現できない
記帳な作品だと思う。(1987年、西ドイツ作品)

彼女、ジャスミンが乾ききった砂漠のカフェにもたらしたものは何だったのだろうか?
優しさ?献身的なおせっかい?アイデア?明るい未来?突破口?
違う。そんなたいそうなものじゃ、ない。

彼女がしたことは、散らかりきった部屋を片付け整理整頓してあげただけ。
入れ方のなってないコーヒーをまともなコーヒーにしてあげただけ。
誰も耳を傾けないピアノに耳を向け理解してあげただけ。
しかりつけるでも金を与えるでもなく、若い娘と共にダンスをして洋服を楽しんだだけ。
売れない画家のモデルになって彼を受け留めただけ。
そして。
疲れきった女主人と真正面から付き合っただけ。

そう、あるべき姿にあるがままの姿に、あるものをあるがままの姿で、真正面から向き合っただけなのだ。

彼女が国外へと去った後、バグダッドカフェは急速にまた寂れていく。
そして、そのラストがどうなるかは観ていただくとして。
きっと誰もがこの作品にあたたかなひと時と光をもらえるに違いない。

あるがままの私をあるがままに受け留めて欲しい、そんな思いは案外に贅沢なのかもしれないこの世界で、
彼女ジャスミンの存在はまさに砂漠のオアシスそのものだ。


バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]
紀伊國屋書店
2003-04-25

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心象映す砂塵埃っぽい ...
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