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zoom RSS 「上から目線」の構造 by 榎本博明

<<   作成日時 : 2012/02/03 15:04   >>

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名著『菊と刀』以来、日本人の文化は恥の文化であると自他ともに称されてきたが、最近は恥を忘れた日本人、日本人らしさの崩壊、などの声が高い。
同時によく耳にするのが草食男子、父親(世代)の権威の失墜、コミュニケーション不足、そしてゆとり教育世代の若者は・・・という苦笑いではすまない葛藤を抱えた中年の苦悩である。

一昔前は影で年長者(上司)の愚痴を言ってた若者(新入社員)が、今や堂々と「そうやって上から目線で物をいうの、やめてくれませんか?」と言い返し、自分は悪くないと本気で思い込んでいる。
いわれた上司は事実「上」であるにもかかわらず自分が間違っていたのではと引け目を感じ、それ以上何も言えなくなってしまう。

と同時に。
今の自分は理解されていないだけ、本物の自分じゃない、まだ本気を出してないから大丈夫、と根拠のない保険に現状維持を決め込んでいる若者がいれば、自分を「客」扱いしてくれる飲食店などで威張り散らし虚構の偉い自分に酔いしいれている中高年がいる。

彼らの態度も言動もちょっと距離を置いて端から見てみればかなり滑稽であわれで情けない姿であるが、
それが当の本人には分かっていない。いや、もしくは保身から気がつこうとせず逃げ込んでいるのかもしれない。そして私も、私の上司もそんな可哀想な人、ともすれば「イタイ人」たちの一人なのかもしれない…と冷や汗がでる一冊である。
きっと読者には2通りいる。
(まず内容を歯牙にもかけないような人はまず題名を目にして本書を手に取らないであろう)
一つにはこれは私のことだ、と素直?に認めて愕然と、もしくは痛いところをつかれたと思いつつ心に受け止めながら読み進む人。
そしてもう一つは私も含め、きっと多くの人がそうだろう。
本書にもある通り読み始めこそ「そうそう、いるよそういう奴」「その通り!よくぞいってくれた」と手を打ちながら面白く読み、今度話のネタにしてやろうとすら思って読み進めていたのが中盤、だんだん不安になってくる。偽のプライドや優しさといった指摘、異常なほど需要が増している「空気を読む」というテクニック、いつまでも本気を出さない誇大自己、電話苦手のメール得意、キャラ立て(取り替えの効く自分作り)といったよくある現代人の実体を見せつけられていくうちに・・・他人事ではないことに気がつくのだ。笑っていたのは自分ではなく、笑われていたのが自分なのではないかと。

最近の若者は自分勝手だ、他人の目を気にしない、社会性がなってない、自立できていない、そういって糾弾するのは簡単だ。けれど「上から目線」を気にする若者が多いというのはそうした社会性や他人の目世間の目を気にしないというのとは単純にイコールで結びつかない気がする。
それではそう糾弾する大人が間違っているのか?それとも若者が根本的に破綻しているのか?
いや、そこには「自分可愛さ」という自己愛にもとづくちゃんとしたキーワードがある。

キャラをたて、本当の自分とやらを隠し、自分探しをして、当たり障りない間接的な関係をもち、虚構のプライドを保って、その場の空気を読みつつ自分に優しい世界の中で安穏と生きている。
そんな現代人が殆どなのではなかろうか。

これはなにも若者だけに焦点を当てた糾弾書ではない。
中高年にも、私にも、あなたにも、あらゆる日本人に当てはまるかもしれないいくつものパターンと実例が若者と中高年と両方の目線&意見を混ぜつつ語られているのだ。

先ほど私の会社でも新年の挨拶として乾杯をし、「頑張りたまえ」とのお声を賜った。
さて、この言葉に大多数の平社員はどう反応するだろうか?
あの言い方「上から目線」でむかつく? それとも鼓舞してくれてありがたい?
他人事っぽく聞こえる? 何様だよ?

いった側、いわれた側、どのように思うかは自分次第である。
が、上下からの目線に対しどう接するか、いや、どういう目線と取るかでこの1年が全く違う物になるのではないかと思う。



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榎本 博明

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