『図書館危機』 by 有川浩

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すっかりシリーズ定着した感の第3巻!いや~面白くなってきた。
毎回思うのだけど、有川さんのキャラは素直にかわいい&かっこいい

私的には手塚に萌なんだけど。(笑)というわけで、テンション高めである。
テニ○リの手塚部長とは違うけど・・・どうにも私の中で同じ顔に重なるのは気のせい?
クールビューティー(死語)イケメンな手塚君・・・だが、今度は柴崎といい中になりそうな雰囲気・・・どの世界も良い男と良い女がくっつくのは変わらない鉄則らしい(T_T)

それにしても本の表紙・・・帯の文句。 主人公のうら若き乙女を「山猿」と言い放った作者は過去にもこれからも有川さんだけではなかろうか? まあ、言いえて妙だけど。
前作『図書館内乱』が 山猿ヒロイン=郁の憧れの君「王子様」がチビ熊上官=堂上であるということを知り、親の影もチラホラでて確信に迫りつつある・・・というところで終わっていただけに、今回は期待が大きかった。 そして、期待を裏切らず面白かった。
エンターテイメント性がある、軽いライトノベルの範疇を出ない、といってしまえばそうかもしれないが、これは確かに成長物語であり、彼女の目を借りて展開するありうる一つの社会問題提起である。
今回 主題の一つとなった「差別用語」。 
放送禁止用語や使われなくなった文字、言葉、呼称・・・筆を折ったかの有名な先生を思い出す。私自身、教科書に『ビッコをひく』という言葉が別の言葉で書き換えられていたのを目の当たりにしたことがある。当時の私には解らなかったこの「書き換え」は、果たして作者の本意であったのか・・・

戦争小説や、差別を無くす運動を扱った「お涙頂戴」の感動モノを喜ぶ日本人。
しかしその本自体は優しくオブラートでくるまれた、キレイナキレイナ手垢の付いていないコトバで書かれていることを、殆どの人が知らずに読んでいる。
書くものも、読むものも、書かれる者も、一切の人権を排除したキレイナ作品がずらりと書店に並んでいる。
今回は「床屋」が良化委員会によってキレイナ言葉である「理髪師」に書き換えられる、という問題。 さすがに私達は今現在、平気に「床屋」という言葉を使っているが、いつか本当にこういう日が来るんじゃないか?と思う。
八百屋なんて一発で「青果店」に書き換えられるんだろう・・・。

案外、差し迫った問題なのか。いや、もう気がつかないうちに始まっている問題なのか。

郁が堂上に答えた言葉は正直痛い。
どうして誰も、今まで良化委員会に講義しなかったのか?
答えは、「誰もたいして関心をもたなかったから」
そしていつの間にか、じわじわと浸透し、気がついたときにはすっかり染まってしまった。

言葉の問題だけではない、政治、戦争、専制君主・・・思想、宗教・・・
あらゆるものが、社会があり続ける限りそのあらゆるものが、じわじわと浸透してくるものに、気がつかぬうちに、犯されてしまうことは往々にしてあるのだ。

そういう意味で、とても重いテーマだったと思う。




図書館危機

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この記事へのコメント

2007年04月05日 23:18
空蝉さん、こんにちは。
『図書館危機』、一気読みしました~。
水無月・Rは「じれったい愛」萌え~、な部分ばかり書いておりまして、空蝉さんのように、有川さんの描く「社会問題」についての言及が出来ておりません。とても参考になりましたので、TBをつけさせていただきますね。
よろしくお願いします。

この記事へのトラックバック

  • 『図書館危機』/有川浩 ◎

    Excerpt: 待ちに待った、『図書館シリーズ』の第3作目、『図書館危機』ですよ!! 有川浩さん、ありがとう。ありがとう 水無月・R、ヨロコビのあまり、半分以上壊れておりますよ。 Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2007-04-05 23:25
  • 図書館危機/有川 浩 [Book]

    Excerpt:  有川 浩:著 『図書館危機』  図書館危機有川 浩メディアワークスこのアイテムの詳細を見る  『図書館戦争』 『図書館内乱』 に次ぐ、  図書館シリーズ3作目。  前作でついに王子様の正体を知って.. Weblog: miyukichin’mu*me*mo* racked: 2007-08-04 03:41
  • 図書館危機<有川浩>-(本:2007年154冊目)-

    Excerpt: 図書館危機 出版社: メディアワークス (2007/02) ISBN-10: 4840237743 評価:86点 前作のラストで、憧れの王子様が、上司の堂上であることを知ってしまった郁.. Weblog: デコ親父はいつも減量中 racked: 2007-12-15 14:10