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『学校で愛するということ』 by 中森明夫
冒頭で「僕」が語りかけてくるように、学校というのは誰もが必ず、あたり前のように通い青春時代を過ごす場所である。ご飯を食べるように日常的に、家族のように身近に、洋服のように楽しみだったり面倒くさかったり、得意だったり苦手だったり好きだったり嫌いだったり・・・。きっとそこに通った人の数だけ学校というイメージは存在し、人の数だけ出会いがあるのだ、当然「学校は○○するところ」と限定することは出来ない。
ただ本書を読んで、一つだけ解ったことがある。大人となって自立していく前の少年少女に学生という...
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2009/07/06 12:59 |
『さよなら、そしてこんにちは』 by 荻原浩
人生、生きていればいいことも悪いことも半分半分、いやもしかしたら良いことなんて嫌なことのさらに半分もないのかもしれない。世の中には数えきれないほどの職業があり、一生縁がない職種がほとんどで、このせわしい世の中、自分のことで手一杯になっている私たちは、人それぞれに苦労があるように職種それぞれにも独特の苦労があるということを忘れがちだ。
どんな人だって喜怒哀楽をもち、どんな人生にも哀愁湛えるドラマがある。
これはそんな彼らの、もしかしたら私たち読者のうちの一人を描いた人生劇場、ほんのワン...
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2009/06/30 12:34 |
『さよなら渓谷』 by 吉田修一
今、新しく裁判員制度が導入され「人を人が裁くことは出来るか?」という疑問が投げかけられている。それはつまり人に罰を与えることが出来るのか?罪を償わせることが出来るのか?・・・ひいては加害者が被害者に謝罪し償うことで罪は赦されるものなのか?ということである。
人は生きていれば多かれ少なかれ罪を犯す。時には人生を狂わすほどの犯罪も。
時にはその罪を隠し、忘れ、怯え、嘆き、怒る。人の数だけ罪が生まれその種類も重さも千差万別だろうが、しかしその罪に対して、償いと許しと忘れることと、憎み続けること...
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2009/06/23 11:52 |
『ティモレオン―センチメンタル・ジャーニー』 by ダン・ローズ
センチメンタルジャーニー、感傷的な旅。確かにとても感傷的で抒情的で、切なく哀しいいくつかの人生が脇役として描かれているがそれらはけっして本書表題の名をもつ犬、ティモレオンのものではない。
少なくともどの物語も犬の、彼の目線から語られることはない。幸せになるも不幸になるもすべてそれらは彼の立ち寄った先で展開されていた人間たちのもの。美しい目をもつ雑種犬・ティモレオンは、最も愛した最良の飼い主コウクロフトに遠地に捨てられ、ひたすら彼のもとに戻ろうと旅路を急いでいただけであり、描かれるいくつ...
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2009/06/16 12:13 |
映画『60歳のラブレター』
映画は唐突に首都高を走るトラック運転手の目線で始まる。ありの巣のようにゴチャゴチャと入り乱れ、田舎者・・・いや、下手したら都会人にだってナビなしでは不安になるほどややこしい首都高。そしてソレを高層ビルの上階から見下ろし感慨深くため息をつく男60歳・橘がこの映画の主人公である。
男の言うとおり、人生は高速道路のようなもの。 一度間違ったらもう手遅れで引き返すことは決して出来ない。あっという間に時間と周りの風景だけが目まぐるしく変わり、過ぎ去っていく・・・。
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2009/06/09 12:56 |
『セレモニー黒真珠』 by 宮木あやこ
昨年アカデミー賞を受賞した映画『おくりびと』は死体を棺に納めるまでの支度をする納棺士を描いたニューマンドラマ。そして今ドラマでも現実でも話題になっているのが婚活。冠婚総裁とひとくくりにされてしまうこの正反対の人生における二つの一大イベントだが、ブームになりもてはやされるのは結婚だけである。それはそうだ、婚活しろとは言えても葬活・・・死ねとは言えない。(そんなことを言ったら自殺をしろ、安楽死をしろといっているようなもんだ。)
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2009/05/29 15:00 |
『プシュケの涙』 by 柴村 仁 (電撃文庫) (文庫)
高2の夏休み、むせ返るような教室で榎戸川が何気なく眺めた窓を、一人の女子が通過した・・・。
彼女の名前は彼方(かなた)。学校で女子生徒が4階から飛び降り自殺し、唯一ソレを目撃した榎戸川と友人・旭の前に見知らぬ男子生徒・由良が現れ根掘り葉掘り事件の真相を問い詰める。
キレイな顔立ちのくせ「変人」の異名をとる由良は自殺のはずはないと主張し揺さぶりをかけてくるが、事の真相は明らかにするにはひどく残酷でそっけないものだった。
文化祭の準備でにぎわう学校。受験に交友関係にと鬱々とした日々を過...
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2009/05/25 10:53 |