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zoom RSS 『三年坂 火の夢』 by早瀬 乱

<<   作成日時 : 2006/09/17 09:38   >>

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導入部分〜中盤までは面白い。もともと伝説やら逸話やらが好きな私が
「3年坂で転んだら死ぬ」という迷信に、殺人と失踪と言う謎と、放火と言う事件が絡み合い、
『帝都物語』を髣髴させる東京大改築!
材料は揃っている。興味深く、人をひきつける題材である。
そして話の運びも、引き込みも、当時の風潮、面影もどことなく全体に漂っていて、明治の情景が何とはなしに目に浮かぶ、そんな意味で見事な文面だと思った。
正当な純文学などを好む方々にはこの程度では・・・と思われるかもしれないが、現代に生き、明治を知らない私共にとってはこんなくらいがちょうどよいのだ。

貧乏と受験に苦悩する主人公の書生、あこがれの帝大に行きながら途中退学し傷を負って帰ってきた兄、行方の知らない父親。兄は父を、弟は兄の痕跡を追っていくうちに『東京』に差し迫った大火災の危機に迫っていく。そうとも知らないうちに、だ。

一方ではその、東京を燃やし尽くすと言う阿修羅のごとき火の発火点=7つの三年坂を追い求める教授たちがいる。 次第に接点を持つ2つの追及者たちだが、犯行者は兄でも、父でもなく、意外なとことにいた・・・

面白い展開と構成もよいと思う。けれど犯人がいきなり脈絡なく出てきた気がして、ちょっと宇つまらない。裏をかくもの何も、犯人が誰なのか?という追及が全体に薄いからかもしれない。
謎はむしろ、なぜ三年坂と発火点が結びつくのか?なぜ三年坂というのか?という点に絞られており、後者の名前の由来にいたっては最後の最後の数行であっさり解決してしまう。しかも殆ど関係ない、と言う有様だ。そりゃないだろう・・・。

ドラマチックな展開になるかと思いきや、最後だけ腑抜けてしまった。
それでも、最後のニクイ「名探偵」の手際は、かっこいいんじゃないかと思う。

興味深く読み薦められる作品であった。

三年坂 火の夢
三年坂 火の夢

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