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zoom RSS 『まほろ駅前多田便利軒』 by 三浦しをん

<<   作成日時 : 2007/07/03 21:37   >>

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こんな面白いものを書く人の作品を今まで読んだことが無かったことを本気で悔いた。
キャラ・設定・事件・長さ・構成・・・どれをとっても○。まあ、芥川賞系のモノから見れば軽いノリだし、一話完結の漫画のような雰囲気だし、胡散臭いし(笑)、ご都合主義ではある。
至極真面目な方にはくだらん、と捨てられてしまうかもしれない・・・が、それでも涙したくなるほど良いストーリーなのだ。

東京の辺境まほろ駅前に便利屋を構える主人公・多田。かつての高校同級生・行天が居座り2人は様々な人々の依頼を受ける。お金を出してまで他人に依頼事を片付けてもらう必要に迫られている人々がいる限り、多田便利軒の仕事は続く。
人を食った飄々とした行天に振り回されながら、多田と行天は今日も軽トラックを走らせ、犬探しから家具の移動の手伝いまで何でもこなす・・・。
とまあ、ドタバタ色々な事情を抱えた人と関わりやんわりと包んで仕事を終えていくあんちゃんたちの痛快?ストーリーなのだが、後半には彼ら二人の暗い部分がクローズアップされていく。
最終章は育ての親に感謝しつつも自分の「産みの親」の今の現状を結婚前にどうしても知りたい、近況報告をして欲しいという青年の依頼。彼は病院で同日誕生した赤ちゃんと「入れ替わって」しまったことをDNA鑑定で知ったという。
「産みの親」の家庭でもまた似ていない(本当の子ではない)子供と葛藤が繰り広げられていたが、そのことを伝えるべきとする行天。反対する多田。
行天はDVを、多田は自分の子ではないかもしれない赤ちゃんを不注意でみすみす死なせてしまったという過去を、それぞれに持つ。反発し仲たがいしてしまう二人だが、しかし彼らが欲しがっている答えは同じ形をしているはずだった・・・

きっとそれは 失ってしまった信頼も、愛情も、親も子も、友情も、何もかもがいつか必ず「再生」するのだという 答えだ。

失ったものが完全に戻ってくることはなく、得たと思った瞬間には記憶になってしまうのだとしても。幸福は再生する と。形を変え、様々な形でそれを求めるひとたちのところへ何度でも、そっと訪れてくるのだ。―本文より

まさに再生の物語。いや、再生を信じるパワーを与えてくれる生き様だ。
BGMにぜひオススメなのが エルレガーデンの『風の日』ドリカムの『何度でも』


まほろ駅前多田便利軒
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『まほろ駅前多田便利軒』/三浦しをん ◎
先月末、中国地方のM市を転出して、近畿地方・N市に引っ越してきました。超突貫工事な引っ越しスケジュール、車も通れない路地がたくさんあるカオスな町並み、片付かない荷物・・・と、なんともあわただしい日々を過ごしております。 そして・・・引っ越して10日ほどたったころ、N市の中央図書館へ行ってみました。そして、借りてきたのが、三浦しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』なのでありました。 ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2009/11/30 23:11

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
空蝉さん、こんばんは(^^)。
TB&コメント、ありがとうございました。
哀愁漂う、ほろっと来ちゃう物語でしたね。なのにやっぱり、トホホ感が漂うの(笑)。
続巻が、楽しみですね♪
水無月・R
2009/11/30 23:16

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