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zoom RSS 『ちんぷんかん』 by 畠中恵

<<   作成日時 : 2008/01/06 00:43   >>

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このシリーズもいよいよ大詰めって感じだ。きっと次回は最終回・・・そんな気がする終わり方。
病弱ゆえに大事に過保護に育てられた、回船問屋の若旦那、一太郎。彼は大妖怪である祖母の血を引いているため妖を見、話すことだけはできるが何の力も無い非力な「人間」だ。個性豊かな鳴家や小鬼、やたら甘やかす保護者役の妖怪、兄やたち。彼らのユニークな助けを借りて、平和な江戸で起こるちょっとした事件を解決して成長していく一太郎の微笑ましいシリーズ。

今回はとうとう地獄の三途の川まで足をつっこんだ若旦那。やっとのことで戻った現世で、今度は若旦那の両親の馴れ初めの話。さらに梅の精?小梅のあっという間の一生。
短編でどれも読みやすく、あいかわらず軽いタッチで面白い。が、「小梅」の段は、どうにも切なく悲しく、これからの「しゃばけ」シリーズを暗示するかのようjな締め方だった。

だいたいこの手の話は最初はそれこそ何の力も無い主人公が、妖怪と接するうちに少しずつ力をつけたり仲間をもったりして、果ては妖怪退治までしてしまうのが定石だ。しかしこのシリーズはそうではない。あくまで若旦那は人間側で、妖怪を見える、話せる程度の力しかない。「うしおと○○」のように武器があるわけでも「鬼太郎」のように力を持ってくるわけでもない。だからつわもの妖怪の兄やたちが必死に守り世話を焼くのだ。しかしその兄やたちも妖怪たちも人間と違い悠久の一生を持つ生き物であり、彼らの長いスパンからすれば若旦那の一生はあまりに短い、あっけない。
一ヶ月足らずで赤ん坊から大人へ成長し生を全うしてしまった小梅との、あまりに悲しい別れを経験し、自分の一生も兄やたちからすれば同じようにあっという間なのだと、いつかは別れが来るのだと気がついてしまう。小梅を死なずに=永遠に梅を咲かせるために奔走する若旦那だったが、小梅はどうやらとっくに自然の摂理?を悟っていて、次に生まれ来る生のために死を受け入れる。

小梅が去ってしまった一方で、親友や兄が一人また一人と離れていってしまう寂しさ。 置いていかれる、会えなくなる悲しさ、別れの時が必ず来るのだという無常さを肌で感じた若旦那だが、今度は自分が置いていく側になってくる。
兄やたちも同じく、若旦那を永遠の生の世界を提案するが、さて、若旦那の決断やいかに???
今回若旦那はどうにもならないことがあるということ、自分はそれでも少しだけ「特別」でどうにかなれる立場にあるということ、つまり、二つの世界を見ているのだということ。いろいろと思うところが出来た・・・さ、次回はそれらにどう決着をつけていくのか・・・楽しみでもあり寂しくもあり。

好きな作品にはずっと続いて欲しい、と願って止まない本好きの私には共感するものがあったりする。


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