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zoom RSS 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 』 by 辻村深月

<<   作成日時 : 2010/02/04 12:45   >>

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私はなぜ、辻村の作品を読み続けるのだろう?読むたびに、そっと隠しておいた心をえぐられれ、丁寧にしまっておいた思いを暴かれ、傷ついてばかりいるというのに。さらにいえば、そうして傷ついた自分に酔いしいれている浅ましさを発見して、苦笑すらしてしまう。
著者は作品に、おそらく自分自身の様々な部分を吐き出した等身大の「彼女たち」を登場させている。そして、彼女と同年同月生まれである私にとっても、そんな「彼女たち」の姿は驚くほど自分自身に酷似しているから、目が離せない。時として悲痛な展開を見せる物語を読み続けてしまうのは、直りかけの瘡蓋(かさぶた)をいじらずにはいられない幼稚で自虐的な私自信のせいかもしれないと、ふと思う。

田舎という狭い世界で育った彼女らは、世界を知っている井中の蛙だ。
両親にパラサイトして生きることを選んだ蛙は都会という外の世界を知りながらそれを敢えて蹴り、「娘代」と称して親の元、生ぬるい井戸の中に甘んじる。
窮屈な田舎から都会へひたすら飛び出した蛙は、井戸の中、自分の奥底に燻り続ける思いをうずめたまま逃げ場所を探して結局、落ち着く。 都会で20代のうちに結婚するという「勝ち組」にこだわる外の蛙たちは、「女友達」の枠にしがみつく中の蛙とどこも変わりはしない。
若い女友達の枠から漏れないうように、計算高く相槌と駆け引きを繰り返す。
劣等感やプライドを「嘘」という虚勢と見栄で、羨望と賛美の言葉でそうしたドス黒い腹の内を必死に隠す。
なんでもないような仮面をつけて当たり障りのないイイ関係を、緩くキープしておくこと、それが何より大切な、しようもない生き物、それが女なのだろう。

女にとって一生付きまとうもの、それは女としてのプライドを満足させる、あるいは妥協できる交際や結婚の取捨選択だろう。
そしてそれらをコントロールする理性と、女としての年齢と、自分を作り上げた「母親」という存在が全てのネックになる。
本書はそうした女という生き物が等身大に描かれているのだ。

母親を殺害して失踪した「負け組」のチエミの行方と事件の真相を追って、都会で雑誌のライターとして活躍・結婚を果たした「勝ち組」の幼馴染ミズホが関係者のもとを訪れる。
異様なほど隠し事一つなく密着しすぎていた母のもと地元で契約社員として地味に生きるチエミ、そんな彼女を心配しつつも嫌悪する旧友、合コンで知り合い彼女を捨てた男、彼女の弱さと家庭をなじる同僚、失踪直前に彼女とコンタクトを取った恩師・・・。
同時に取材する「赤ちゃんポスト」が意味するところと、ミズホ自身の厳格な母親との葛藤、30歳という「勝ち組」に入れるかどうかの岐路に立たされた彼女たちの心が浮き上がる中、次第にチエミの謎が明らかになっていく。




30歳"という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。
少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの"殺人事件"が起こるまでは……。
何かに突き動かされるように、警察の手を逃れ今なお失踪を続けるチエミと、彼女の居所をつきとめようと奔走するみずほ。
行方を追う中、不可解な事件とその真相が明らかに……!!  (Amazonより)

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
講談社
辻村 深月

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