『図書館革命』 by 有川浩

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とうとうこの図書館シリーズも最終巻。長かった・・・があっという間だった。
(と同時に、書くだけ書いてUPするのがかなりかなり遅くなってしまった・・・)
「サスケ」をやらせても絶対新記録を出すであろうような闘う図書館隊員たち。
彼らの突っ走りっぷりとラブロマンス(笑)と、戦闘シーンと逃亡と・・・ちょっとした精神的人権問題もはいっている、そして何より面白どころ満載のすべての出来事が一人の猿女・・・もとい、図書隊員・郁のまっすぐな暴走に振り回されていく。
ドキドキワクワク・・・などという子供っぽい言葉を口にしてしまうほどスピード感ある展開に読者である私も振り回され、最後まで一気に読んでしまう。この暴走は読む側までも引き摺っていく面白さだ。
この作品ははっきりいってエンタメ系、真面目なお堅い話は下敷きにはあっても上には浮いてこない。しかしそれでも彼らの活躍ぶりと真摯な想いは、そんな深淵部分のメッセージすら私達に感じさせる。だからこの作品は広く多くの人に、楽しく面白く真面目に深く、しみこんでこのヒットとなったのだ。

焚書坑儒に始まって検閲、現在に至っても放送禁止用語など・・・人間は現実にも過去なんどもメディアに規制をかけてきた。
つまるところ公による個の自由の剥奪、制限、禁止。
コトバというのは確かに恐ろしい。ことに「言霊」という精神を育んできた日本人の意識の根底には、言葉の威力による恐怖や畏怖があり過剰反応する傾向があるのだと私は思う。
それは必ずしも悪いことだと思わないのもまた確かだ。
なぜならそれは、例えば国という多数・集団=公が国民という少数・個を管理する上で、その使用に規制をかけなければ行けないほど重要視され、尊重されてきたということでもあるからだ。言葉を軽んじてのことではない、言葉を重んじているからこそ、である。
この手の作品によくみうけられるのは、悪役側(この場合超法規的検閲を擁するメディア良化法)の事情を書き、彼らは彼らなりの理由・言い訳があったのだとあらかじめ暴露し、その上で「それでも」と正義側(この場合図書館隊員)に言わせ人情や感情論を重視して軍配をあげる、というもの。
しかし著者はあとがきにもあるように、メディア良化法つまり国・公側の言い訳を一切書いていない。その理由も。 
私には著者が「私が文章にしなくても現実を見ればわかるでしょ?」と、行っているように思える。事実は小説よりも奇なり。
近い将来、こんな世界になるなんて正直ちっとも思ってはいない。
ありえないから、こんな未来(笑)
それでもこの作品を読んでもう一度現実を見直そうと、違った目で、今まで向けなかったところへ目を向けようと思うのは 作品の中からそこ(現実)がやはり浮かび上がってくるからだと感じる。



図書館革命

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この記事へのコメント

2008年01月23日 00:15
空蝉さん、こんばんは(^^)。
私、読んだら即萌え!で、とにかく萌え叫んでおりました。
そんな私とは全く違った視点で、『図書館革命』をとらえていらっしゃるんですね。素晴らしいです。
私は全然ダメです・・・有川作品となると、リミッター外れちゃうんで・・・(笑)。

『別冊図書館戦争Ⅰ』が、4月に発売予定だそうですよ!嬉しいですね(^^)。
2008年01月23日 00:53
ああ!UPしたらこちらから水無月さんへコメント&トラバしようと思っていたのに~先を越されました(笑)なんだか急がしくて;; 全然、私もダメダメですよ。独りよがりの視点だし。なにより面白く読めればそれでいいんだ!って思います。この人には(笑)別冊情報有難うございます!楽しみ~!

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  • 『図書館革命』/有川浩 ◎

    Excerpt: あああぁああぁあぁぁありかわさんッ! 哀れな読者を、悶え(萌え)死にさせる気ですかっ!!! 郁も柴崎も「はちきん」全開で、ベタ甘ラブロマで、大規模戦闘やら頭脳戦やら、とにかくとんでもなくてんこもり.. Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。 racked: 2008-01-23 00:06
  • 焚書坑儒

    Excerpt: 『図書館革命』 by 有川浩... 焚書坑儒に始まって検閲、現在に至っても放送禁... Weblog: ひろしの日記 racked: 2008-04-10 17:41